大阪・関西万博2025における光と映像の融合が金賞獲得
10月14日に閉幕した大阪・関西万博2025。約半年の会期中に約40万人が訪れた「関西パビリオン 滋賀県」ブースの展示『K.L.V(キネティック・ライト・ビジョン)』が、日本空間デザイン賞2025のエンターテインメント部門で金賞を受賞しました。この展示は、光のアーティスト松尾高弘氏と映画監督岡太地氏が共に手がけた内容で、芸術的で没入感のある体験を提供しました。
『K.L.V』の魅力
『K.L.V』では、450個の光球が空中に浮遊し、滋賀の美しい風景が曲面スクリーンに映し出されます。このシネマティック・インスタレーションは、来場者に「水」の記憶を辿る体験をもたらしました。展示が終了する度に、拍手が起こり、SNS上でも参加者の感想が多く寄せられました。「琵琶湖の上を旅しているようだ」といったポジティブな声が多数見受けられます。この体験の核心は、映像と空間が一体となり、来場者自らが作品の一部になることです。
製作チームの紹介
このプロジェクトには、株式会社ルーセントデザインの松尾高弘氏が主導する空間アート装置と、ドラマメイカーズの岡太地氏が担当した映像が融合しています。岡氏は、滋賀の自然、文化、そして人々の営みを「水」をテーマにして記録・編集しました。この広範な映像表現は、空間全体をデザインした松尾氏のビジョンと見事に調和しました。
岡氏は、映像制作において新たな挑戦をしたと語っています。普段は物語を作る側にいる彼が、空間表現において地域や風景を魅力的に伝えることを求められました。それが、滋賀の大自然を舞台に、彼の制作にさらなるこだわりを与えたのです。
感情に残る体験としての映像
岡氏は撮影において、地域のイメージや情感が観客にどのように残るかを想像しながら制作しました。「琵琶湖の湖面が幽玄な鏡のように、我々の歴史を見守っているという静けさ」と語るその表現の中には、視覚的な美しさと共に深いメッセージが込められていました。映像が幻想的なクライマックスへと繋がる際には、観客が感じる心の動きが求められます。これに加えて、使用したカメラにはRED KOMODO-Xを選択し、色彩と光の表現に大いに貢献しました。
受賞の意義
こうした独創的な体験が高く評価され、日本空間デザイン賞で金賞を勝ち取ったことは、岡氏にとっても大きな誇りです。彼はこのプロジェクトを通じて得た経験が、今後の映画制作にも生かされることを期待しています。
今回の受賞を受けて、今後の発展にも注目が集まる中、次に選ばれるグランプリである「KUKAN OF THE YEAR2025」の発表が待たれます。太地氏の誠実なクリエイティブな精神が、今後どのように形になるのか目が離せません。
映画監督 岡太地について
岡太地は1980年、京都府に生まれ、大阪芸術大学で学びました。彼の作品は国内外の映画祭で高く評価されており、様々な映像作品を手がけています。代表作には、沖縄国際映画祭特別招待作品が含まれ、映像制作の多才さで知られています。2023年にはドラマメイカーズ株式会社を設立し、映像作家としての新たな挑戦が続いています。
今後も岡太地の活動から目が離せません。