自動運転車のセキュリティ対策強化!VicOneがサムスンセミコンダクターと提携
自動車業界では、自動運転車やSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の開発が加速しており、それに伴いサイバーセキュリティへの懸念も高まっています。SDVは、ソフトウェアによって機能が定義されるため、従来の自動車よりもサイバー攻撃に対して脆弱である可能性があります。
この課題を解決するため、トレンドマイクロ株式会社の子会社であるVicOne株式会社は、半導体技術のリーディングカンパニーであるサムスンセミコンダクターとの戦略的提携を発表しました。今回の提携では、サムスンセミコンダクターのExynos Auto V920 System on a Chip(SOC)開発ボードに、VicOneの次世代フリクションレス侵入検知・防止システム「xCarbon™」ソリューションが搭載されます。
xCarbon™ソリューション:SDVのサイバーセキュリティを強化
VicOneのxCarbon™ソリューションは、自動車のサイバーセキュリティを強化するための最先端の技術です。このソリューションは、リアルタイムの脅威検出、迅速な対応、進化する脅威への適応性など、SDVのセキュリティ対策に不可欠な機能を提供します。
提携のポイント
今回の提携には、以下の3つの重要なポイントがあります。
高度なプリインテグレーション: サムスンセミコンダクターのV920 SOCファミリーとVicOneのxCarbon™ IDPSがスムーズに統合され、Exynos Auto V920のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)がxCarbon™ IDPSの基盤となります。これにより、リアルタイムの脅威検出と迅速な対応が可能になります。
自動車サイバー脅威インテリジェンスの強化: VicOneの自動車サイバーセキュリティ分野での専門知識とサムスンセミコンダクターの技術力を組み合わせ、SDVに特化した脅威インテリジェンスモデルが開発されます。このモデルは、車両のセンサー、ECU、通信チャネルから収集されたデータを分析し、異常や潜在的な未知の脅威を早期に検出します。
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動的適応性: Exynos Auto V920のNPUで実行される機械学習アルゴリズムを活用し、進化する脅威に対応します。リアルタイムの更新と脅威シグネチャがSDVフリート全体に配信され、強固なセキュリティが維持されます。
VicOne CEOのコメント
VicOneの最高経営責任者(CEO)であるマックス・チェン氏は、今回の提携について、次のようにコメントしています。
今回の提携は、自動車のサイバーセキュリティ業界において非常に重要な意義を持っています。サムスンセミコンダクターと共に、私たちはSDVセキュリティの新たな基準を築いていきます。この統合ソリューションは、OEMやサプライヤーが規制要件を満たし、ビジネスを円滑に進める支援をするだけでなく、ドライバーにスムーズで安全な運転に必要なサイバーセキュリティを提供します。私たちは、顧客とパートナーの利益のため、サムスンセミコンダクターと開始した協力関係を継続・拡大し、SDVコンテナやハイパーバイザーの保護手法を実証するためにパートナーと提携する予定です。
VicOneの取り組み
VicOneは、自動車業界向けのサイバーセキュリティソリューションを提供するリーディングカンパニーです。トレンドマイクロの子会社として、30年以上のサイバーセキュリティ技術をベースに、高度なセキュリティ対策を提供しています。VicOneは、今後も自動車業界の安全とセキュリティに貢献していくことを目指しています。
今後の展開
VicOneは、2024年11月12日~15日にミュンヘンで開催される「electronica」で、xCarbon™ IDPSソリューションとサムスンセミコンダクターのExynos Auto V920開発ボードを統合したソリューションを初披露します。
さらに、2025年1月7日~10日に米国ラスベガスで開催される「CES」において、自動車業界向けの最先端サイバーセキュリティソフトウェアおよびサービスを展示予定です。
VicOneについて
VicOneは、自動車業界向けに幅広いサイバーセキュリティソフトウェアやサービスを提供する企業です。同社のソリューションは、現代の車両が必要とする高度なサイバーセキュリティの各種要件に適合し、大規模な運用にも対応するように設計されています。VicOneは、トレンドマイクロの子会社であり、トレンドマイクロが30年以上にわたって培ってきたサイバーセキュリティ技術をベースにしています。