日本企業のPER向上に向けた新たなステージ
2023年9月11日、東京都内で行われた記者発表会では、投資家から選ばれる日本株の実現に向けた3社の資本統合が発表されました。この会では、株式会社リンクソシュールの白藤大仁社長をはじめ、ジャパンストラテジックファイナンスの堀場俊史社長、Chorus Call Asia/イー・アソシエイツの近藤忠雄社長が登壇し、専門家の浜辺真紀子氏をゲストに迎えて、統合の背景や今後の展望について詳しく述べられました。
日本企業の現状と課題
新たに統合される3社は、日本企業のPER(株価収益率)が海外に比べて低迷している現実に注目しています。現在、日本の企業はその独自の技術力や人的資本を適切に市場に伝えきれていないことが問題視されています。この状況を打破するためには、従来のルール遵守を重視した開示から脱却し、経営陣自らが対話を通じて企業の真の価値を伝える必要があります。
発表会に登壇した浜辺氏は、「企業が評価されるためには、過去の実績だけでなく将来の成長に対する期待が鍵であり、そのビジョンを明確に示すことが重要だ」と語っており、日本企業が中期経営計画を過去の延長線上で策定するのは限界があると警告しました。特に人口減少や気候変動といった要素を考慮し、長期的な成長戦略を築くことが求められています。
資本統合に向けた3つの柱
この統合の狙いは、以下の3つの柱に基づいています。
1.
国内最大規模の顧客基盤の確立
3社が持つリソースを活用し、IR支援領域において国内で最大のシェアを獲得することを目指します。
2.
コンサルティング技術の活用
20年以上の経験を持つリンクアンドモチベーショングループのノウハウを基に、経営者が自らの言葉で語るストーリーを構築し、企業の強みや課題を明確にします。
3.
データベースとデジタル技術の融合
機関投資家向けのサービスや個人投資家向けのデジタル技術を統合し、効果的な対話機会を創出します。
白藤社長は「PERの向上は未来への期待を生み出すことが重要であり、我々はその実現にユニットを結束させる所存です」と強調しました。
質疑応答の様子
質疑応答の際、参加者から「なぜ今統合するのか」といった質問が寄せられ、白藤氏は「将来的な成長への期待を明確に伝えることが必要だからです。このタイミングでの統合が企業の価値を発信する力を高められると考えています」と回答しました。また、PERの重要性についても「PERを重視することで、企業の成長ストーリーを市場に伝え、投資家に将来像を示すことが可能になる」と語りました。
まとめ
今回の記者発表会は、ただの経営統合の発表にとどまらず、日本企業の成長期待を資本市場に伝える課題についても考察される場となりました。今後、3社がそれぞれの強みを活かし、日本企業のPER向上に貢献していく姿勢が問われる時代になっています。