アウンコンサルティング株式会社は、2024年7月に訪日外国人客数と、台湾における日本の47都道府県に関する検索トレンドについての調査を行いました。この調査の結果、2024年7月の訪日外国人客数は約329万人であり、コロナ禍前の2019年同月と比較して10.1%の増加を示しました。
この増加は特に東アジア地域からの観光需要が高まったことに起因しており、学校の休暇などが影響しています。訪日外客数の累計は2024年の1月から7月にかけて約2,106万人に達し、前年同月との比較でも非常に高い数字を記録しています。
国別のデータを見ると、中国からは77万人、韓国からは75万人、台湾からは57万人の訪問者がありました。特に中国からの観光客はコロナの水際対策緩和以降、増加が顕著であり、2023年との比較では147.8%も増加しています。一方、台湾からの訪日客も前年同月比で25.4%の伸びを見せており、安定した人気を誇っています。
訪日外国人の使用言語を詳しく見ると、北京語を話す旅行者が最も多く77万人、次に韓国語75万人、中国語(台湾)57万人となっています。文字による区分でも、繁体字(台湾・香港)が85万人と最多で、続いて簡体字(中国)が77万人、ハングル(韓国)が75万人という結果でした。
特に台湾からの旅行者の中で「北海道旅行」に関する検索数が圧倒的に多いことがわかりました。コロナ禍以前から続くこの人気は、主に北海道の雪景色やスキー、自然の豊かさに支えられています。また、冬のアクティビティに関心をもつ台湾人が多いことも要因とされています。
沖縄も台湾からの旅行者にとって手軽にアクセスできるリゾート地として人気があります。特に、台北から那覇へのフライトは1時間30分ほどで、観光の便もよく、安定した人気を保っています。
台東のような自然豊かな場所も人気ですが、アクセスの困難さがそのまま観光の障壁となっています。そのため、沖縄のように比較的近いリゾートが好まれる傾向にあります。クルーズ船の寄港数や増便は、こうしたアクセスを改善する要素として働いています。
このように、台湾からの訪日外国人客数とその動向は、観光業の重要な指標となります。アウンコンサルティングではさらに詳しいデータをまとめており、今後の観光戦略を考える上での参考にしていただければと思います。
日本政府観光局(JNTO)からのデータを基にした本調査の結果は、活発なインバウンド市場を示しており日本国内の観光業の回復を促進する要素を明らかにしています。これにより、観光関係者は訪日外国人のニーズに応じたサービスを提供し、リピーターの獲得に向けた施策を強化できるでしょう。