還暦を迎える2025年、貯蓄状況とリアルな意識調査

2025年、還暦を迎える1965年生まれの男女に関する調査が実施されました。調査を行ったのは、PGF生命（プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社）で、全国の2,000名を対象とし現状の貯蓄額やライフスタイル、心に抱く期待や不安について尋ねました。この調査では、特に注目すべき結果がいくつかありました。

現段階の貯蓄状況

調査によると、現在の貯蓄額が「100万円未満」という回答が30%に達し、調査開始以来最も高い水準となりました。一方で、「3,000万円以上」と回答した人は2024年には18%に留まり、2025年には19.7%と連続して20%未満となっています。このことから、物価上昇の影響で貯蓄を取り崩す人が増えている様子が伺えます。また、2024年から開始される新NISA制度への期待感もあり、「貯蓄から投資へ」という意識の変化も見られます。

還暦への意識と自分自身の比較

還暦を迎えることへの実感について尋ねたところ、83.2%が「実感がわかない」と回答しました。この中には「還暦を迎えたことを他人に知られたくない」と思っている人も多く、特に女性の傾向が強かったです。このような感情は、世代間の価値観の違いを浮き彫りにしています。自分の年齢をどう感じるかでは、平均で精神的には46歳、肉体的には55歳と回答される結果が出ました。

社会の変化への感覚

調査結果には、今の若い世代に対する羨望の声が多く寄せられました。その中では、特に「スマートフォンや携帯電話があること」が1位として挙げられ、次いで「情報入手のしやすさ」などが続きます。このように、現代社会でのコミュニケーションの在り方や情報の受け取り方が、還暦世代に影響を与えていることを示唆しています。

還暦祝いをどう思うか

還暦祝いについての質問では、「一緒に旅行に行くこと」が最も嬉しいイベントだとされ、人気の男性との交流や思い出作りが重視されています。プレゼントでは現金や旅行券が特に好まれることがわかりました。このようなトレンドは、物質的なものよりも経験を大切にする傾向を反映しているのかもしれません。

未来への不安と希望

約87%が60歳以降も働きたいと答えています。その理由としては「生活費が不足するから」が最多で、実際には物価の高騰と共に経済的な不安が深刻であることが浮き彫りになっています。また、健康を維持したい、充実感を得たいなどの理由も多く見られ、一生を構成する要素としての仕事への意欲が感じられます。

この調査から、今回還暦を迎える人々の考え方や生活状況が、今の社会のさまざまな影響を受けている様子が伺えます。多様化する人生観の中で、希望と不安を抱えながら、新しい時代を迎える彼らの姿勢が、今後の日本における貯蓄や生活設計に影響を与えていくでしょう。調査結果は、より良い未来へ向けた選択肢を考える上でも重要な指針となるのではないでしょうか。