事業承継M&A仲介会社の信頼性に関する調査結果を発表
2024年8月27日、一般社団法人事業承継学会は「事業承継M&Aリサーチプロジェクトチーム」による、中小企業向けのM&A仲介会社に関する調査結果の速報を発表しました。多くの中小企業が経営承継の手段としてM&Aを選ぶ中、その業者に対する信頼性や営業姿勢の評価に焦点が当てられました。
調査の背景
日本の経済において「事業承継」は重要な課題となっているため、その解決手段としてM&Aが推奨されています。特に後継者不在の中小企業にとって、M&Aは親族承継や内部昇格に並ぶ貴重な選択肢です。しかし近年、M&A仲介のトラブル報告も増加しており、悪質な業者の存在が問題視されています。これを受けて、事業承継学会は実際の問題に直面している中小企業の声を集めるべくアンケート調査を行いました。
調査概要
- - 目的: M&A仲介会社の営業姿勢と業務遂行の信頼性を調査
- - 対象: 中小企業の経営者、後継者、経営幹部
- - 方法: インターネットによる独自アンケート
- - 期間: 2024年6月26日~7月31日
- - 有効回答数: 126名
営業姿勢に対する評価
調査結果によると、M&A仲介会社に対するネガティブな印象を持つ人が75%を超えました。具体的には、営業姿勢において「当方の事業への理解不足」や「手数料に対する偏り」が問題視されました。一方で、良い印象を持つ回答者もおり、プロセスの説明や実績に基づいたアドバイスが評価されました。
業務遂行の信頼性
仲介業者の信頼性についても調査が行われました。おおよそ40%の回答者が「全く信頼できない」と回答しており、十分な情報提供や相手先選定に対する不信感が強く表れました。これに対し、価格交渉や契約書作成の業務についてはより信頼性が高いとの意見もありました。
今後のプロジェクト
事業承継M&Aリサーチプロジェクトは、今回の調査結果をもとに、さらなるヒアリングを行う予定です。126名の回答者のうち70名が今後の調査に協力する意向を示しており、これに基づいてさらなる分析と改善策の提言を目指します。最終的な研究結果は、2024年12月14日に名古屋商科大学で開催される事業承継学会年次総会で発表される予定です。
お問い合わせ
本プレスリリースや調査への質問については、事業承継学会の小林博之にお問い合わせください。詳細は
こちらから。