Airbnbと新潟県佐渡市の新たな連携
新潟県佐渡市と世界的宿泊予約プラットフォームAirbnbが、地域の活力向上と賑わいに満ちた街づくりを目指して、新しい連携協定を結びました。この協定は、二地域居住の促進と交流型観光による長期滞在の推進を目的としており、観光振興と地域コミュニティの育成が組み合わさる重要な取り組みです。
背景と目的
観光庁によると、2023年には外国人の延べ宿泊者数が約1.1億人に達し、2019年のコロナ前の水準にほぼ回復しました。また、国内の旅行者数も増加傾向にあり、特に地方への旅行需要を促進することが求められています。観光立国の推進の一環として、観光庁は「インバウンド旅行者一人当たり、地方で2泊」という目標を掲げており、旅行者を地方に誘導することが急務とされています。
さらに、新潟県佐渡市では、少子高齢化や過疎化の影響を受けており、地域のコミュニティを育成し、地域活性化につなげる取り組みが進められています。そこで、「二地域居住」という新たなライフスタイルを提案しながら、都市住民が地方にも生活拠点を持つことを促進していく狙いがあります。
Airbnbの強みと地域への貢献
Airbnbの宿泊施設は、地元のホストから直接地域の魅力やおすすめスポットの情報を得られるため、旅行者が地域の人々と触れ合いながらその土地を「暮らすように楽しむ」ことができます。これにより、観光客と地域社会との関係人口が増加し、地域経済の活性化が期待されます。また、佐渡市では空き家や遊休不動産を宿泊施設として再活用することで、新たな経済機会を創出する考えです。
実際、2023年にはAirbnbのゲストが訪れた国内の都市や町は1,200以上にも上り、その数は前年に比べて約10%増加しました。特に、都市部以外の地域で初めてAirbnbのゲストを迎えた町が54%を占めるなど、観光分散が進んでいることも確認されています。
今後の展望
佐渡市は、7月27日に「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録され、観光客の増加が見込まれています。それに伴い、長期滞在者を受け入れる体制を整え、交流型ワーケーションの普及を進めることが求められています。本協定を基に、空き家活用セミナーや地域コミュニティ形成に向けた取り組みが来年から始まる予定です。
ダイナミックな地域作りには、地域住民の積極的な参加が不可欠です。今後の活動により、若い人材が活躍できる環境を整備し、「二地域居住」や「長期滞在」を通じた地域振興を推進していく考えです。これは、地域に新たな活力をもたらし、賑わいにあふれる街づくりに寄与することでしょう。
まとめ
新潟県佐渡市とAirbnbの連携は、地域の活性化に向けた重要な新たな一歩です。これからも地域の魅力と多様性を生かしつつ、持続可能な観光振興を進めていくことが期待されています。地域の生活と観光の新たな形に注目が集まります。