海洋ごみ削減シンポジウム
2020-03-04 15:00:36
海洋ごみ削減に向けた飲食店の取り組みを促進するシンポジウムレポート
海洋ごみ削減に向けた飲食店の取り組みを促進するシンポジウムレポート
全国の飲食店を対象に、「海洋ごみ対策シンポジウム」が2020年2月28日に開催され、海洋ごみ削減に関する情報共有や啓発活動が行われました。本イベントは、「飲食店海ごみ削減プロジェクト」実行委員会(実行委員長:佐藤裕一)が主催し、日本財団が実施する『海と日本PROJECT』の一環として位置づけられています。これにより、さまざまな取り組みが飲食店界に浸透し、環境保護への意識が高まることを目指しています。
イベントの背景と目的
「飲食店海ごみ削減プロジェクト」は、飲食店が海洋ごみに及ぼす影響を認識し、取り組みを強化するために発足しました。このプロジェクトでは、各店が実施可能な海洋ごみ対策を明確にし、参加の敷居を下げることが重視されています。個店や中小チェーンに対しては、海洋ごみ対策マニュアルを配布し、ごみ拾いなどの簡単な参加機会を提供しています。
シンポジウムのプログラム
イベントは、実行委員長の佐藤裕一氏による挨拶から始まりました。基調講演では、株式会社重化学工業通信社の古郡弘氏が、海洋プラスチックごみ問題の現状とその重要性について語ります。彼は、日本ではプラスチックごみに対する適切な処理が86%達成されていることを紹介しましたが、プラスチックが海に流出することは依然として重大な問題であると警告しました。彼の提案は、「ごみを海に流出させない」「海で見つけたごみを回収する」「プラスチックごみの発生を減少させる」という3つの指針です。
また、服部学園の志賀元清氏による特別講演も行われ、飲食店経営の視点からパッケージの重要性が強調されました。志賀氏は「消費者に対して良い取り組みをアピールするためには、テイクアウト容器のパッケージを見直すことが肝要」と主張しました。これにより、店舗の取り組みが顧客にも伝わりやすくなるとのこと。
竹内美樹氏の発表では、株式会社雅が土に還るPLA素材で作られた容器の取り組みについて紹介されました。彼女は、環境に優しい製品であるPLAの導入によるコスト面の課題と、「海を守るために広がることを願う」という希望を述べました。
進捗状況と今後の展望
シンポジウムの最後に、佐藤氏がプロジェクトの進捗状況を報告しました。「徐々に海洋ごみ対策の意識が根付いてきた」と語り、プラスチック削減のためには各店舗がその取り組みを続けていくことが不可欠であると強調しました。今後は、飲食店に向けた海洋ごみ対策の啓蒙活動をさらなる拡大を目指す意気込みを示しました。
結論
「海洋ごみ対策シンポジウム」は、飲食店が海洋ごみ削減に向けて取り組むための貴重な機会となりました。参加者は講演内容を通じて理解を深め、現状の問題を改めて認識できたことと思います。これらの活動が広がることで、日本の海洋環境がより良い方向へ進むことを期待しています。
会社情報
- 会社名
-
「飲食店海ごみ削減プロジェクト」実行委員会
- 住所
- 東京都新宿区四谷1-22-5WESTALL四谷ビル1階
- 電話番号
-
03-6869-5604