姫路飾西高等学校がARスポーツ「HADO」を活用
兵庫県立姫路飾西高等学校(以下、飾西高校)は、文部科学省の「新時代に対応した高等学校改革推進事業」の一環として、AR技術を活用した新しい形のスポーツ「HADO」を導入しました。この取り組みは、学校の「STEAM探究科」における生徒主体の課題解決型学習の一環として進められています。
背景
2024年度から新たに設置される「STEAM探究科」では、生徒たちが自ら設定したテーマに基づいて探究や実践を行い、理系のサイエンスコースや文系のグローバル・コミュニケーションコースが統合されています。この教育方針の背後には、急速に変化する社会のニーズに応えるための最適な人材育成が求められているという背景があります。
特に、生徒たちからは「子どものスポーツ人口減少」という課題が提起され、その解決手段としてARスポーツ「HADO」が検討されることになりました。「HADO」は、運動が苦手な生徒でも楽しめるという特性や、デジタル世代の若者たちに体を動かすきっかけを提供することが評価されています。
取り組みの具体的内容
飾西高校での取り組みは以下のように進められました。
- - 5月21~23日: HADOの体験会が実施され、meleapの社員による講演も行われました。
- - 7月22~25日: HADOの設営実習と、STEAM Dayの運営練習、さらには生徒によるアンケート調査も並行して行われました。
- - 7月26日: STEAM Dayを通じて教育関係者や中学生にHADOを体験してもらい、その効果を検証しました。
- - 9月~12月: HADOの有効性についての継続的な検証が行われ、12月にはその結果の発表が予定されています。
STEAM探究科の目的と教員のコメント
STEAM探究科の科長である稲田隆士先生は、「STEAMを自分たちがワクワクするものと定義し、テーマとして『ホンモノに出会う、本気に触れる』を掲げている」と述べています。この9つのコースは、インプット中心の1年次から、アウトプット中心の2年次へと進みながら、実践的な知識と能力を高めていくことを目指しています。
特にHADOの導入は、スポーツ人口減少問題に直面している子どもたちに新たな運動の楽しさを提供するだけでなく、論理的思考やコミュニケーション能力の向上にも寄与しています。生徒たちは自ら課題を解決する力を育みつつ、仲間と協力して成果を出す経験を積んでいます。
HADOの導入とその影響
生徒たちからはHADOに対する高い評価が寄せられています。運動が苦手な生徒も「楽しく体を動かせた」という感想や、「HADOのユニークな感覚がとても楽しかった」との声が溢れており、参加者全員が楽しさを感じていました。また、90%以上の参加者が「もっと体を動かしたい」と回答しており、HADOがもたらす運動習慣の向上が期待されています。
HADOと企業との関係
HADOを開発した株式会社meleapは、「誰もが楽しく身体を動かし」との理念のもと、AR技術を利用した新たな運動体験を提供しています。HADOは現在、世界39カ国で広がりを見せており、参加者の年齢や運動レベルを問わずに楽しめる次世代のスポーツとして注目を集めています。
今回の取り組みは、飾西高校が地域や社会のニーズに応えつつ、教育を通じて生徒たちが新たな知識と技能を身につけ、健やかな人生を築く手助けとなることでしょう。このような新しい試みが、今後多くの学校に広がることを期待しています。