FRONTEOが漢方薬の作用メカニズムを探る
概要
株式会社FRONTEOは、2025年8月23日から24日に開催された「第42回和漢医薬学会学術大会」において、漢方薬「補中益気湯」の作用メカニズムを探るための成果を発表しました。自社開発のAI「KIBIT」や「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF)を駆使し、漢方薬に関連する遺伝子ネットワークを解析する手法を紹介しました。
漢方薬とその重要性
漢方薬は、古くから医療の現場で利用されてきましたが、その有効性を科学的に解明する動きが近年加速しています。しかし、漢方薬の成分は複雑であるため、その作用機序の解明は容易ではありません。「補中益気湯」は、消化機能の衰えや倦怠感などに用いられる漢方薬の一つで、その効果を裏付ける解析が望まれています。
DDAIFの役割と成果
FRONTEOのDDAIFは、自然言語処理技術を活用して文献情報を解析し、補中益気湯に関する遺伝子ネットワークを構築しました。この手法により、従来は難しかった漢方薬のメカニズムの詳細が明らかになりつつあります。
具体的な成果
解析の結果、DDAIFを用いて補中益気湯に関連する遺伝子ネットワークが描出され、多くの関連パスウェイが確認されました。その中には、代謝調節や長寿に寄与することが知られる酵素「SIRT1」に関する遺伝子も含まれていました。これらの情報は、補中益気湯の作用を理解する手助けとなりえます。
FRONTEOの今後の取り組み
FRONTEOは、DDAIFの提供を通じて、医薬品産業の革新や医療の質向上を目指しています。また、他の企業や研究機関と共創プロジェクトを進め、新たな医療分野での研究開発を進行中です。これにより、AIを用いた創薬の領域での活動をさらに広げる計画です。
他のプロジェクトとの連携
FRONTEOは、さまざまな製薬企業と連携し、化粧品領域や皮膚科、女性医療領域での創薬研究にDDAIFを活用しています。具体的なプロジェクトには、日華化学とのコラボレーションや、エーザイとの共同研究などがあります。
最後に
FRONTEOの取り組みは、漢方薬やその他の伝統的な医薬品の将来に対して新たな可能性を提示しています。AI技術を駆使することで、古い知識と現代的なアプローチが融合し、新たな医療の形が見えてきています。今後もFRONTEOがどのようにこの分野での研究を進めていくのか、注目が集まります。