株式会社JETが農水省に新装置を納品
東京都千代田区に本社を持つ株式会社JETが、令和6年度の農林水産省の入札にて「移動式レンダリング装置」を落札し、今年度からの配備を完了させました。この新しい装置は、動物伝染病のひとつである豚熱や口蹄疫が発生した際に、迅速かつ安全に処理を行うことで、伝染病の拡大を防ぐ重要な役割を果たすことになります。
1. 迅速で安全な処理の必要性
特定家畜伝染病が発生すると、家畜の殺処分は施行され、その後の処理が求められます。その処理は通常、埋却や焼却されることが多く、土地の確保や近隣住民の理解など、多くの課題が伴います。そのため、移動式レンダリング装置は、感染拡大のリスクを最小限に抑えながら、効果的な処理を可能にする選択肢となります。これにより、迅速な対応が求められる状況でも、適切な衛生管理が確保されるでしょう。
2. 確認試験の結果
この装置の納品に先立ち、確認試験が行われました。試験では、10トンの牛の畜体を用いており、切断せずに全体を装置に投入。その結果、わずか2時間でスラリー状に処理され、温度が80〜99度に到達しました。さらに、動物検疫所が要件として定めた感染性の除去機能や処理能力、安全性が全て確認されました。この試験の模様は、動画でも公開されています。
3. JETの技術力
JETの移動式レンダリング装置は、ERS(Environmental Recycling System)という急速発酵乾燥システムを基にしており、他の廃棄物処理とは一線を画す技術です。特許技術を用いた微生物の活性化により、短時間で悪臭や排水を出さずに安全な処理が行えます。その結果、畜体を無駄なく資源化することが可能になるのです。これまでにも、特定家畜伝染病に対する対策として、業界導入が進められています。
4. 今後の展開
移動式レンダリング装置には、ERSの「発酵・乾燥」機能が搭載されており、この機能により処理後の生成物の水分率を28.9%まで下げることが可能と確認されました。水分の低減は、生成物の減容化や運搬の容易さに直結します。また、発酵処理によって臭い問題の軽減にも寄与し、最終処理場への搬送作業が軽減されます。このように、JETは新しい技術を通じて、家畜伝染病処理の迅速化や感染防止に資する革新的な取り組みを進めています。
5. 会社の基本情報
株式会社JETは、2013年に設立され、急速土着菌増殖システムの開発・製造・販売を手がけています。東京・千代田区に所在地を持ち、代表者は片山智之氏です。これからも環境保護に寄与する技術を推進し、持続可能な社会の実現に向けたロールモデルとなるべく努力を続けていく予定です。
公式ウェブサイト
移動式レンダリング装置が果たす役割は非常に重要であり、今後の展開に期待が寄せられています。