アドバンテック SOM-6820 モジュールの特長と性能
アドバンテック株式会社が新たに発表した「SOM-6820」は、Qualcomm Snapdragon® X-Eliteシリーズプロセッサを搭載したCOM Express Compact Type 6モジュールです。このモジュールは、最大12コアと45WのTDPを特徴とし、競合他社と比較して最大65%の電力効率を実現しています。
1. 卓越した性能と省電力性
SOM-6820は性能と省電力を両立させた設計となっており、最大で51%の性能向上を果たしています(Qualcomm社調べ)。特に、Adreno GPUが提供する最大4.6 TFLOPSの演算能力や、Hexagon NPUによるAI性能(最大45 TOPS)は、医用画像処理やマシンビジョンなどのエッジAIアプリケーションにおける推論品質や処理速度を大幅に向上させる要因となっています。これにより、外部GPUの必要性を減少させ、コストとスペースを削減できます。
2. ハードウェアの柔軟性と耐久性
このモジュールは、最大64GBのLPDDR5xメモリ(8448 MT/s)と256GBのUFS 3.1ストレージをサポートし、広範な動作温度(-40〜85℃)に対応しているため、過酷な環境下でも安定した性能を提供します。また、14レーンのPCIeを利用して最大5台のエンドデバイスとの接続が可能で、さまざまな開発ニーズに応えるための多彩なI/Oオプションを備えています。
3. 設計支援とソフトウェア環境
SOM-6820は、アドバンテックのQuadro Flow Cooling System(QFCS)を取り入れ、45W・60℃下でも静音かつ100%の性能を維持できる設計がなされています。さらに、UEFI BIOSを搭載しているため、x86アプリケーションからの移行もスムーズに行うことができます。これに加え、AI評価・開発・展開を効率化するEdge AI SDKの提供により、導入後の運用も簡単です。
4. さまざまな分野での利用が期待
医用画像処理やマシンビジョン、さらにはミッションクリティカルなシステムやヒューマノイドロボティクスなど、SOM-6820は多岐にわたる分野での利用を可能にします。10年間の長期供給とフルサービスサポートも提供されているため、安心して導入することができます。
まとめ
アドバンテックの新しいCOM Express Compact Type 6モジュール「SOM-6820」は、高いAI性能と省電力性を両立し、多様な用途に応じた柔軟な設計がなされています。これにより、今後さまざまな分野での新しい技術革新が期待されます。