NTTドコモ・ベンチャーズ、バイオーム社に出資
昨今の地球環境問題が広く取り上げられる中、NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)が生物多様性ビッグデータを手がける株式会社バイオームに出資したことが注目されている。NDVは、東京都港区に本社を置く企業で、代表の安元淳氏が率いるファンドを通じての出資となる。
バイオームのビジョン
バイオーム社は、さまざまな生物の分布データをリアルタイムで収集・提供するプラットフォームの構築を目指している。この企業が展開している「Biome」といういきものコレクションアプリは、ダウンロード数が100万件を超えており、国内最大規模の生物情報データベースとなっている。
こうした生物情報は、ネイチャーポジティブ・プロジェクトに活用され、環境保護や持続可能な社会の実現に寄与している。
環境への影響と未来のビジネスチャンス
現在、世界経済のかなりの部分が自然資本、具体的には森林や土壌に依存しているとされており、その価値は44兆米ドルにも及ぶ。しかし、この自然資本を支えるための生物多様性が急速に劣化していることが懸念されている。環境省によると、2030年にはネイチャーポジティブ経済によって年間47兆円のビジネス機会が創出されると試算されている。これにより、生態系の保護が今日よりも重要な課題になるだろう。
NTTグループの取り組み
NTTグループは、自然保護や生態系の保全に積極的に取り組む企業である。今回の出資に伴い、2025年3月27日にはNTTグループ内の複数の会社とバイオーム社が共同で、衛星画像データを使用した新たな技術開発に着手することが発表された。これにより、広範囲にわたる植生や生物の推定技術の進展が期待されている。
まとめ
NTTドコモ・ベンチャーズがバイオーム社に出資することで、双方の連携が強化され、持続可能な未来へ向けた新しいビジネスモデルの開発が推進されることになるだろう。これからの環境保護における新たな価値創造に注目が集まっている。