AIによる業務効率化が注目される中、肥後銀行が「bellSalesAI」による新たな取り組みを発表しました
肥後銀行は、ベルフェイス株式会社が開発した「bellSalesAI」を導入し、預り資産の面談記録業務を大幅に効率化することに成功しました。具体的には、録音から書き起こし、AIによる情報抽出、CRM(顧客関係管理)への自動登録までを一貫してサポートする仕組みを構築。これは、金融商品取引法に基づく記録の「品質」と「業務効率」を両立させることを目指しているのです。
導入の背景と目的
金融業界では、面談記録の精度がますます重要になっています。しかし、現場では多様な話し方や表現が飛び交い、手作業で行う記録業務には大きな負荷がかかっていました。既存の音声入力に頼っていても、CRMとの連携がスムーズではなく、業務負荷の軽減効果も限定的です。そのため、正確性が求められるこの面談記録業務の効率化は急務でした。
このような背景のもと、肥後銀行は「bellSalesAI」導入を決定。対象業務は預り資産であり、今後、全営業店に拡大する計画です。2025年8月25日からは全店での運用が開始される予定です。
実際の取り組み概要
この取り組みの主な特徴は以下の通りです:
- - 業務対象 : 預り資産(順次拡大予定)
- - 導入基盤 : 本店および全営業店での順次展開予定(出張所や海外駐在事務所は除く)
- - 期待される効果 :
1. 顧客への説明の正確性向上および理解度の確認精度が改善。
2. 業務時間の大幅な短縮。
3. 面談記録が網羅的かつ適正な表現を保たれること。
実際に試行導入した結果、面談記録を作成するまでの時間が従来の平均60分から20分以下に短縮され、業務の効率が飛躍的に向上したことが確認されています。また、記録の網羅性や表現の統一化も評価されています。従来バラバラだった記録が、統一されたフォーマットで出力されるため、品質が向上し、組織全体の底上げにも繋がっています。肥後銀行の経営企画部の中村氏は「全店展開によって営業活動の可視化と高度化が進むことを期待しています」と語っています。
ベルフェイスのコメント
この取り組みについて、ベルフェイスの代表取締役である中島一明氏は、肥後銀行との共同検討を2025年4月に始め、短期間で全店運用を見据えた設計に取り組んできたと述べました。会話データをもとにした記録の自動作成とCRMへの自動登録が実現することで、国内でも先進的なモデルケースとなり得ると期待されます。
bellSalesAIについて
「bellSalesAI」は、営業担当者が行った商談情報をAIが自動で抽出し、Salesforceへの入力を効率化するサービスです。その特徴は以下の通りです:
1.
Salesforce特化 : 商談会話から必要項目をAIが自動入力。
2.
リアルタイム処理 : 商談終了後わずか2~3分で処理完了。
3.
高精度な抽出 : 独自のAI設計により、高精度の情報抽出が可能。
このように、多くの金融機関が導入を検討する中で、肥後銀行の取り組みは注目されています。今後、より多くの企業がこのような先進的な技術を活用し、業務効率を高めることが期待されます。肥後銀行とベルフェイスのパートナーシップは、今後の金融業界において新たなビジネスモデルを創出するのではないでしょうか。