微生物ゲノム新時代
2021-06-10 11:00:08

微生物ゲノムの最前線:大学発ベンチャーが生み出す新たなバイオエコノミー

微生物ゲノムの最前線:大学発ベンチャーが生み出す新たなバイオエコノミー



近年、大学発のベンチャー企業が織りなす新しいビジネスモデルが注目を集めています。特に、微生物のゲノム解析と改変技術を持つbitBiomeとLogomixの二社が手を組み、シームレスな合成生物学サービスを提供する取り組みが始まりました。これは、地球上の微生物を最大限に活用し、人類のさまざまなニーズに応えるための新たな試みと言えるでしょう。

微生物シングルセルゲノム解析技術


bitBiomeは、早稲田大学発のバイオテック企業で、世界初の微生物シングルセルゲノム解析技術「bit-MAP®」を開発しました。この技術により、難培養微生物や未知の微生物を対象に、全ゲノムを得ることが可能です。これまでの手法に比べ、質と量ともに優れた微生物遺伝子データベースを構築し、現在は60,000を超える微生物ゲノムを蓄積しています。今後は2023年中に20万を超えるゲノムデータを目指しています。

革新的なゲノム構築技術


一方、Logomixは東京工業大学発の企業で、広範囲のゲノム領域を高精度で設計・改変・合成できる技術「Geno-Writing™」をコア技術としています。この技術を活用し、製薬や化学、エネルギー関連分野の企業と協力し、特定の細胞株や細胞システムを開発しています。

結束した力で実現する新しいサービス


二社の協業により、csv_dataとGeno-Writing™の組み合わせが実現し、これまでにない形の合成生物学サービスを提供可能となります。特に注目すべきは、以下の6つのユースケースです。

1. 難培養細菌ゲノムライブラリーの新規化合物生合成遺伝子マイニング
2. 顧客の微生物株のゲノム改変ライブラリーの構築
3. Living Medicineの開発プラットフォーム設計
4. 高機能土壌細菌叢の開発
5. 脱炭素・カーボンリサイクルに資する物質循環システムの開発
6. プラスチック分解菌株の開発

これらのユースケースは、企業の研究開発において革新をもたらすものです。特に環境問題や持続可能な農業への取り組みは、社会全体にとっても重要な意味を持ちます。

目指すべき未来


bitBiomeとLogomixのビジョンは、「地球上のあらゆる遺伝子資源を活用し、進化の壁を越えて生物の進化をデザインする」というものです。この新しいアプローチは、バイオエコノミーの実現に向けた大いなる一歩と考えられています。今後、両社の協力を通じて、持続可能な生産システムや新型の医薬品の開発が進むことでしょう。

これらの取り組みは、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーとの融合が進む中で、国際的なニーズに対しても高い価値を提供することが期待されています。合成生物学の商業化が進む中、bitBiomeとLogomixがもたらす変革は、私たちの生活環境や産業構造にも大きな影響を及ぼすことでしょう。

これからのバイオエコノミー社会を形成する上で、このような企業の取り組みや協業はますます重要になるはずです。私たちもその動向に注目し、持続可能な未来を見据えたいと思います。

会社情報

会社名
株式会社Logomix
住所
東京都中央区晴海4-7-4CROSS DOCK HARUMI 1F
電話番号

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