仲間はともかく、自由を求める大学生たちの人間関係

大学生の友人関係と「おひとりさま」行動について

日本の大学生を対象にした調査によると、89.9％が「親友」と呼べる友達がいると答え、その数は平均約5人となっています。これを受けて、学生たちの友人関係の深さやその構築の仕方には興味深い傾向が見られます。

親友との距離感

調査の結果、72.5％の大学生が最近1年間に友人と争った経験がないと回答しました。このことは、親友がいる一方で、学生たちが人間関係を大切にしつつも、争いごとを避ける姿勢があることを示しています。それぞれが心地よい距離感を持ちながら、友人関係を続けているようです。

テスト友達の出現

さらに興味深いことに、大学生の約40％は、試験の時期限定の「テスト友達」を持っていると言います。普段はコミュニケーションをとらないものの、いざ試験が近づくと勉強を共にするために集まるというのです。このような関係性は、一見ドライに見えるものの、互いに利を求めていることが垣間見えます。

SNSの影響と「おひとりさま」行動

また、最近の大学生に見られる「おひとりさま」行動も深刻な傾向です。「ひとり○○」に取り組む大学生は多く、72.5％が「おひとりさま」が好きだと回答しています。これには、スマートフォンやSNSの登場が大きく影響していると考えられます。

孤独感とつながりのパラドックス

調査では、「おひとりさま」として過ごしているときに孤独を感じるかどうか尋ねたところ、67.3％が「感じない」と答えました。その理由として「スマホがそばにあるから」が61.5％、「同じようなおひとりさまを見かけるから」が55.1％、さらに「SNSを通じて友人の状況を把握できるから」が40.5％と、友人との仮想的なつながりが孤独感を軽減していることが明らかになっています。