プライバシー強化技術を推進する日本総研の新提言

日本総合研究所の新提言



株式会社日本総合研究所が、プライバシー強化技術(PETs)の普及を促すための提言を発表しました。これにより、安心で安全なデータの連携と利活用が期待されています。特に、AI技術の進展に伴い、データの価値が増す中で、それに伴うプライバシーへの懸念が大きくなっています。

1. 提言の背景



データを活用することで新たな価値を生むことが日本のデータ戦略の重要な要素ですが、データ漏洩やプライバシー侵害のリスクも増大しています。このようなリスクから、日本社会でのデータ連携は進展が鈍化しています。個人情報保護法の見直しに向けた議論では、データの第三者提供に関する規制緩和の方針も示されており、PETsへの期待が高まっています。これにより、データを秘匿しつつ有効活用する手法が模索されています。

2. 各提言の概要



日本総研がまとめた提言は、官民連携を基にしたPETsの社会実装を進めるための4つのアプローチを示しています。

提言1:導入指針の策定



PETsの実装において重要なのは、安全性や運用の指針が整っていない現状です。この指針を策定するためには、国際機関との調整や業界の協力が不可欠です。国際標準の動向を常に把握し、官民連携の強化が求められます。

提言2:制度的課題の整理



個人データの適正利用と保護の両立を実現するために、PETsの役割を明確にする必要があります。今後の法改正や政策において、技術の位置づけをしっかり整理することが求められます。この過程で、実際のユースケースに基づく意見の集約が重要です。

提言3:ステークホルダーとのコミュニケーション



PETsに関する理解を促進するため、生活者との対話を重視する必要があります。技術の理解を深めることで、安心してデータを提供できる環境を作り出すことが重要です。また、各レベルの経営者や現場の人々にも理解を促進する取り組みが必要です。

提言4:新たな事例の創出



データ連携が難しいとされる金融などの分野で、PETsを活用した新たな事例を創出することで、その価値を証明していく重要性があります。特に、政府が主体で事例を創出し、その成果を示すことで、民間企業の参加も促進されるでしょう。

3. 今後の展開



これらの提言に基づき、日本総研はDSAなどの関連団体と協力しながら、PETsの社会実装を進めていく方針です。特に金融分野においては、データの守秘性が高いため、限定的だった取り組みを拡大し、業界をまたいだデータ連携の仕組みを構築します。

日本総研は、PETsの導入を通じて個人のプライバシーを守りつつ、データの活用を促進する体系的な取り組みを進めることが求められています。これにより、日本のデータ経済の発展を支える基盤を築いていくことが期待されています。

会社情報

会社名
株式会社日本総合研究所
住所
東京都品川区東五反田2-18-1大崎フォレストビルディング
電話番号
03-6833-0900

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