ウクライナ危機3年、子どもたちの心の声はどこに？

ウクライナの子どもたちと国際NGOの支援

2022年2月、ウクライナで発生した危機から3年が経過しました。この間に、国際NGOであるワールド・ビジョンは、ウクライナ危機の影響を受けた数百万人の子どもたちに支援を提供してきました。これまでに210万人以上が支援の手を差し伸べられ、その中には97万人以上の子どもたちが含まれています。

2024年には、ウクライナ、モルドバ、ジョージア、ルーマニアで526,000人以上の人々への支援が計画されており、その38%を子どもたちが占めています。子どもたちが直面している現在の状況は非常に厳しく、国連児童基金（UNICEF）の統計によれば、戦争が始まって以来659人の子どもたちが命を落とし、1,747人が負傷しました。これにより、日常的に暴力を受けたり、避難を余儀なくされたりする子どもが数多く存在しています。

子どもたちの心の声

バフムート出身の5歳のカーチャちゃんは「空襲警報のないウクライナ、爆弾のないウクライナ、戦争のないウクライナがいい。家族と一緒にいたいだけなの」と無邪気に願い、16歳のアンドリーさんは「戦争が早く終わって、命の危険を感じずに勉強を続けられることを願っています」と語ります。さらにマリアさんも、「心の中の本当の気持ちを隠すために、無理にでも笑顔を作らなければなりません」と心情を吐露しました。

これらの声からは、ウクライナの子どもたちが平和で尊厳のある生活を送る権利があることがはっきりと伝わってきます。しかし、現状は依然として厳しく、国際社会には彼らを守るための行動が求められています。

支援活動の重要性

ワールド・ビジョンのウクライナ危機対応責任者アルマン・グリゴリアンは、「すべてのウクライナの子どもたちのために、暴力を終わらせ、平和を回復しなければなりません」と強調しています。また、ワールド・ビジョン・ジャパンの伊藤真理課長も、「この3年間、子どもたちの今を守る支援を届けてまいりました。未来がこれ以上失われることがないように支援を続けます」と述べています。

ジェンダーに基づく暴力の影響

ウクライナ危機によって、多くの女性や子どもたち、特にも青年女子がジェンダーに基づく暴力（GBV）の危険にさらされています。最近の調査では、オンラインで参加した青年男子・女子の半数近くが直接的な影響を受けていることが分かりました。特に、女子の34%が自信を失っていると回答し、多くが支援を求めることに抵抗感を抱いています。

ワールド・ビジョンは、生存者への支援やエンパワーメントに重点を置く必要があるとし、支援体制の強化を模索しています。グリゴリアン責任者は、「暴力の生存者は必要な支援を受けられず、沈黙させられていることが多い」と指摘しています。

日本からの支援と未来への希望

ワールド・ビジョン・ジャパンは、ウクライナ危機による難民支援募金を日本の皆さまから受け付けています。支援者の皆さまとともに、最も困難な状況にある子どもたちを支えるために行動しましょう。募金の詳細は公式ホームページで確認できます。

私たち一人ひとりの支援が、ウクライナの子どもたちにとって希望の光となります。未来がどうか彼らにとって明るいものでありますように、引き続き関心を持ち、行動していきましょう。