世界初の7GHz帯GaN増幅器モジュールが5G-Advancedを支える

世界初の7GHz帯GaN増幅器モジュール開発の成功

三菱電機株式会社は、次世代通信技術5G-Advancedに向けた新たな成果として、世界で初めて7GHz帯のGaN（窒化ガリウム）増幅器モジュールを開発しました。この技術は、5G基地局の力強化を目指すものであり、2023年に技術が規格化され、2025年からの実用化が見込まれています。5G-Advancedは、高速、大容量、低遅延、さらに多くの同時接続を可能にする特性を有しています。

5G-Advancedはどのように進化するか？

5Gの発展型である5G-Advancedは、これまでの通信技術を一新します。特に、高い周波数帯（6.425～7.125GHz）を使用することで、より短い波長を実現し、アンテナの配置やビームフォーミング（電波のビームを形成する技術）の精度を高めます。この新たな技術を支える増幅器モジュールの開発は、今後の通信インフラの発展において決定的な役割を果たすことでしょう。

課題とその解決方法

5G-Advanced基地局は、その設置の際に高い密度でアンテナが配置される必要がありますが、それに伴い、各増幅器の間隔も狭められ、小型化が求められます。また、増幅器は熱の発生による効率の低下が懸念されているため、低消費電力かつ高エネルギー効率の実現が重要です。

三菱電機は、独自の整合回路技術と高性能GaNトランジスタを駆使してこの課題を克服しました。結果として、外形サイズ12.0mm×8.0mmの小型化に成功し、高密度実装が可能なモジュールを実現しました。この国際的な成果は、今後の5G-Advanced基地局の設置にも大いに貢献します。

性能実証の結果

新たに開発された7GHz帯GaN増幅器モジュールは、5G-Advanced基準を超える41%の電力効率を達成しました。この性能は、全世界の通信事業者にとって非常に重要で、より安定した通信環境を実現するための基盤となるでしょう。今回の開発は、2025年以降の実用化に向けての大きな一歩となることが期待されています。