ダンジオーラE下塗 - 新たな防食塗料の到来
日本ペイント株式会社が、新しい防食用塗料「ダンジオーラE下塗」を国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録したことを発表しました。この製品は、高い防食性能を持ち、特に鋼構造物の保全に貢献することで期待されています。
背景と課題
鋼構造物が直面する主な課題の一つは、腐食の進行です。特に工場やプラント設備においては、さびを完全に取り除くことが難しいケースが多く、早期に再びさびが発生する可能性があります。特に沿岸部では、海からの塩分によって腐食が促進されるため、頻繁に塗り替えを行う必要があります。
このような背景を受けて、日本ペイントは2024年10月29日に「ダンジオーラE下塗」を発売しました。この製品は、高遮断性と「さび転換機能」を融合させることで、優れた防食効果を実現しています。
製品の特長
高遮断性
「ダンジオーラE下塗」は高遮断性を持ち、腐食因子の浸入を効果的に抑え込みます。これは、塗装の下地としての環境を保護する鍵となります。
さび転換機能
また、「さび転換機能」により、既にさびが発生している面でも塗装が可能です。これによって、さびの進行を防止し、安定した構造へと変化させることができます。
残存塩分許容
さらに、素地調整においては、従来の3倍の残存塩分を許容するため、水洗い作業の時間を大幅に短縮することが可能です。塗装作業にかかる時間も減少し、安心して使用できる製品です。
公共工事への貢献
このたびのNETIS登録により、「ダンジオーラE下塗」は公共工事においても大きな価値を提供することが期待されています。技術提案時の評価点が向上し、施工の際の制約を減らすことが見込まれます。実際、国指定重要文化財である若戸大橋の補修工事にも採用されています。
今後の展望
日本ペイントは、今後も「ダンジオーラE下塗」のような高付加価値製品の開発を進め、社会課題の解決に貢献することを目指します。特に、塗り替え周期の延長や工期の短縮など、顧客のニーズに応える製品を提供し続ける方針です。
NETISについて
NETISとは、国土交通省が民間企業等によって開発された新技術の情報を集約したシステムです。このシステムを利用することで、公共工事における新技術の活用が促進され、業界全体の技術水準の向上に寄与しています。
詳細については、
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まとめ
「ダンジオーラE下塗」は、その性能が広く評価され、NETIS登録を果たしました。今後、この製品が多くの現場で活用されることにより、金属構造物の安全性が向上し、長期間にわたる保全が実現されることを期待しています。