横浜市民ギャラリーでの特別写真展
2026年の初め、横浜市民ギャラリーあざみ野にて「
あざみ野フォト・アニュアル2026」が開催される。この展示の特筆すべき点は、若手写真家の
上原沙也加による初の個展が行われることである。展示される作品は、沖縄と台湾をテーマにした4つのシリーズで構成され、彼女の約10年にわたる写真活動を振り返る貴重な機会となる。
展示内容の概要
上原は1993年に沖縄で生まれ、多様な文化や歴史を映し出す作品を多数手がけてきた。特に「
眠る木」や「
前の浜」などのシリーズでは、沖縄の風景と人々の生活を深く掘り下げている。また、最近では台湾に目を向け、「
緑の部屋」という新しいモノクロシリーズも制作。これらの作品は、彼女がどのようにその土地の記憶を写真として残しているかを示している。
1. 10年の集大成
展示では、初の写真集『眠る木』に掲載されている作品や最新の個別作品が公開され、上原の成長過程を見ることができる。特に「眠る木」シリーズは、沖縄の風景の中に残された痕跡を丁寧に捉えた作品で、多くの人々に感動を与えるだろう。色鮮やかなカラー写真と合わせて、モノクロ作品のコントラストがより一層彼女の才能を引き立てている。
2. 「前の浜」の初公開
さらに注目すべきは、新作「
前の浜」で、沖縄の新たな風景が切り取られている。この作品は、2025年の沖縄慰霊の日の前後に撮影されたスライドショーで、来場者に深い感情を呼び起こす旅に誘ってくれる。約200点のスライドショーは、各作品に付けられたタイトルを追うことで、一層の没入感を与えるだろう。
3. 台湾への視点
もう一つの見どころは、故木村伊兵衛氏を記念した写真賞にノミネートされた「
緑の部屋」と「
緑の日々」の展示だ。沖縄の風景と対比をなす台湾の作品は、異なる文化の中での場所と時間を交差させるもので、参加者に新たな視点を提供する。
開催詳細
展示会は2026年1月24日から2月22日まで、横浜市民ギャラリーあざみ野の展示室1で行われる。入場料は一般500円、20歳未満や学生、65歳以上は無料となっており、多くの方に訪れてもらいたい。この個展は、沖縄と台湾の転換点に立つ作品の数々を通じて、観客が新たな発見をし、過去や未来を考える良い機会となるだろう。
参加イベント
また、展示に合わせてアーティストトークや対談イベントも開催される予定だ。特に、写真家の長島有里枝氏を迎えた対談は、写真と表現についての深い洞察を得るチャンスであり、アートを愛する者には見逃せないイベントである。
上原沙也加の写真展は、沖縄と台湾の豊かさを再発見する素晴らしい機会である。彼女の作品を通じて、両地域の風景をじっくりと体験してほしい。
更に詳細な情報は、
こちらのウェブサイトから確認できる。