堺市が企業情報を集約したオープンデータポータルを開設－新たな支援の形『さかしる』

新型コロナウイルスの影響により、多くの中小企業が困難な状況に直面しています。2021年の堺市による調査では、約4割の企業が市場の縮小を挙げ、3割以上が取引のキャンセルや営業活動が難しいと回答しています。このような課題を受けて、堺市は企業支援を強化するために新たな取り組みとして、オープンデータポータルサイト『さかしる』を開設します。

『さかしる』は、堺市内に本社を置く約24,000社の企業情報を集約したプラットフォームです。企業は自社のページに、業種やサービス内容、写真などを自由に掲載することができ、特に自社のウェブサイトを持たない企業にとっても、情報発信の場を提供します。これにより、企業間の交流を促進し、地域経済の活性化を図ることを目指します。

ポータルの特徴は、行政の支援情報をリアルタイムで届ける仕組みです。利用企業には、プッシュ通知を通じて公的支援の最新情報が届き、自社のニーズに合った支援をすぐに把握できます。この機能は、事業の転換やデジタル技術の活用を模索している企業にとって非常に重要です。さらに、今後は官民連携による新たなサービス創出も視野に入れており、企業データの活用を進めることで地域経済の振興を図ります。

また、調査1件につき約32.5%の回答率を示したアンケート調査からも、堺市の中小企業が直面している現状を浮き彫りにしています。この膨大な企業データを活用することで、特にデジタル化が進んでいない企業に対する支援の手がかりになるでしょう。

市民や企業は『さかしる』を通じて、必要な情報を得ることができ、地域全体の連携を深めることが期待されます。堺市の新たな試みにより、未来に向けた企業支援の新しい形が見えてきました。11月下旬のオープンが待ち遠しい限りです。