富岡市が脱炭素化を支援する「e-dash」の導入
2023年、群馬県の富岡市が目指すのは2050年に向けた実質CO2排出ゼロ、いわゆる「ゼロカーボンシティ」です。その実現に向けて、e-dash株式会社が重視するのは市内の中小企業です。これまでの取り組みから、脱炭素化への道筋は明確ではありますが、実際には多くの企業が手をこまねいているのが現状です。
特に、富岡市では産業部門がCO2排出量の44%を占めており、その大部分が中小企業によるものです。そこで、e-dash株式会社は富岡市から「CO2排出量可視化システム導入支援事業」を受託し、市内の中小企業5社を対象に取り組みを開始します。対象企業は2026年2月末まで、これらの支援を全て無料で受けることができるのです。
取り組みの背景と目的
富岡市は2050年に向けてCO2排出量をゼロにする方針を掲げましたが、企業の脱炭素化を進めることが大きな課題となっています。多くの中小企業は「脱炭素になんとか取り組みたいが、何を始めればよいのかわからない」「専門知識を持つ人材がいない」といった声が多く、実際の行動に移せていないのが現状です。
そこで、市は医療機関の後援も受けながら、段階的に会社が取り組みやすい環境を整えています。「CO2排出量可視化システム導入支援事業」は、その一環として展開されているものです。
e-dashの特徴と効果
「e-dash」は、CO2排出量の可視化を簡単に実現するためのサービスプラットフォームです。企業は電気・ガス等の請求書をアップロードするだけで、CO2排出量を正確に算出できます。これにより、専門知識がなくても誰でも簡単に脱炭素の一歩を踏み出せるのです。
可視化されたデータを元に、各企業には削減に向けた具体的な施策が提案されます。例えば、省エネ設備の導入や太陽光発電の設置、非化石証書やカーボン・クレジットの活用など、各社の状況に合ったサポートが提供されます。
支援機関との連携
当プログラムは、しののめ信用金庫や株式会社東和銀行といった地元の金融機関が後援する形で進められます。これにより、市内企業への情報提供や連携がスムーズに行えるようになっています。
今後、地域企業の脱炭素化が進むことで、富岡市はカーボンニュートラルの達成へ一歩近づくことでしょう。
まとめ
富岡市のこの取り組みは、単なるCO2排出量の可視化にとどまらず、具体的な脱炭素施策へとつながる重要なステップです。「e-dash」を通じて、中小企業の持続的な成長と地域全体の環境への影響を軽減することが期待されています。富岡市は今後もこのプログラムを拡充し、さらなる企業の参加を呼びかけていくでしょう。