次世代免疫検査技術「GLEIA」の社会実装に向けた資金調達
大阪大学発のスタートアップである株式会社イムノセンスは、次世代免疫検査技術「GLEIA」の社会実装を目的とした資金調達を実施しました。新技術に基づく製品開発を加速するために、出資や融資を受けて、事業展開を加速させようとしています。この資金調達は、医療やヘルスケア分野での革新が期待される中で、注目されています。
資金調達の詳細
イムノセンスは、以下の事業者からの出資と融資を受けることで、資金調達を行いました。
- Shimadzu Future Innovation投資事業有限責任組合(グローバル・ブレイン株式会社)
- 中信ベンチャー・投資ファンド8号投資事業有限責任組合(中信ベンチャーキャピタル株式会社)
- 紀陽成長支援2号投資事業有限責任組合(紀陽キャピタルマネジメント株式会社)
- 関西みらいサクセスサポート投資事業有限責任組合(ミライドア株式会社)
- SMBCベンチャーキャピタル8号投資事業有限責任組合(SMBCベンチャーキャピタル株式会社)
- 株式会社関西みらい銀行(堺筋営業部)
- 株式会社三井住友銀行
この中で、関西みらい銀行からの融資は「関西みらいベンチャーデット」の第1号案件となります。
新しい免疫検査技術「GLEIA」とその応用
イムノセンスが開発した「GLEIA(グライア)」技術は、過去の検査技術に比べ、超小型で高感度、迅速な医療検査を実現することを目的としています。具体的には、手のひらサイズの機器で、血液中の様々なバイオマーカーを高精度に検出することが可能で、その感度は1兆分の1グラムという驚異的なものです。これは大型の検査機器並みの性能を持ちながらも、コンパクトで持ち運びが容易です。
このユニークな技術は、医療現場において迅速な診断を可能にするだけでなく、在宅での健康管理や簡易検査の導入を促進することが期待されます。
資金の使途
今回の資金調達を通じて得た資金は、以下のような用途で活用されます。
- - 「GLEIA」技術を用いた超小型POCT(ポイント・オブ・ケアテスト)プラットフォームの開発
- - ユーザビリティー向上のための操作性や保存性の改善
- - ヘルスケア/アニマルヘルス分野での事業拡大
- - KOL(Key Opinion Leader)と連携したプロモーションの強化
- - 医療分野事業の本格的な立ち上げ
これらの投資を通じて、「GLEIA」の量産体制の確立や品質の保証、多国展開への基盤を整えていく方針です。
企業からの期待のコメント
今回の資金調達については、杉原宏和代表取締役がコメントを寄せています。「GLEIAを通じて、世界中のどこでも医療グレードのヘルスチェックを実現したい」との意気込みを示し、企業としての使命感が伝わります。
また、各出資先からも「GLEIA」の技術に対する期待が寄せられています。島津製作所やグローバル・ブレインが述べるように、イムノセンスの技術は今後の医療やヘルスケア分野における重要な進展を見せると期待されています。
今後の展望
イムノセンスは、今後も事業パートナーとの連携を強化しつつ、医療現場での即時検査の展開を加速させる予定です。また、「遠隔診療と医師の指導のもとで行う自己測定」という新たなビジネスモデルへの拡張も目指しています。国内外の規制適合や量産体制を整え、持続的な市場投入を図りながら、世界中に医療グレードのヘルスチェックを提供することを目指します。
イムノセンスの持つ「GLEIA」技術が、どのように医療の現場で活用されていくのか、今後の動向に注目が集まります。