アルミ箔を使用しない高遮光パッケージが登場
大日本印刷株式会社(DNP)が、新たな高遮光パッケージ「DNP高遮光パッケージ」を発表しました。この製品は2024年9月から提供開始される予定です。従来のパッケージで広く使われてきたアルミ箔を排除し、全光線透過率を1%未満に抑えることに成功した点が特筆されます。
開発の背景
近年、食品の賞味期限を延ばすためには、高い遮光性を持つ包装が求められています。これまでは、アルミ箔がその要件を満たす材料として広く利用されてきましたが、最近のはアルミ製品の価格上昇や、環境への影響を考慮した需要が高まっています。これらの問題を受けて、DNPは独自の印刷技術を駆使し、アルミ箔なしでも遮光性を大幅に向上させる方法を模索してきました。
DNP高遮光パッケージの特長
1.
高い遮光性: DNP独自の技術によって、全光線透過率を1%未満に抑えており、加工食品などの光に敏感な内容物を効果的に保護します。
2.
鮮明な印刷表現: 従来の遮光印刷では色が沈んでしまうことがありましたが、本製品は高い遮光性を維持しながらも、印刷物としての明るさを保持し、より鮮やかで明確なデザインを可能にしています。
3.
環境への配慮: アルミ箔を使用しないことで、製品ライフサイクル全体でCO2排出量を約25%削減できます。この点は、持続可能な製品開発への取り組みとして評価されています。
4.
幅広い用途: レトルト食品や冷凍食品、電子レンジ対応食品など、さまざまな分野での利用が見込まれています。また、トイレタリーや化粧品、産業用資材などにも展開予定です。
5.
バリア性の向上: DNP独自の透明蒸着フィルムを組み合わせることで、水蒸気や酸素の透過を防ぎ、内容物の品質を保ちながら賞味期限を延長することが可能です。
展望と今後の展開
DNPは、この高遮光パッケージのさらなる用途拡大を目指しています。2024年10月23日から25日にかけて東京ビッグサイトで開催される「2024東京国際包装展」では、DNPブースで本製品のデモが行われる予定です。これは、業界関係者や一般の来場者に向けての重要なプロモーションの場となるでしょう。
新しい「DNP高遮光パッケージ」は、環境問題への寄与とともに、食品の保存性向上という二つの重要なニーズに応えるものとして注目されています。DNPの今後の展開に期待が高まります。