企業の買収意欲に地域差あり!
株式会社fundbookが実施した調査によると、日本国内でのM&A(企業の合併および買収)は地域によってその意欲に大きな差があることがわかりました。調査は、北海道から福岡までの7つの主要都道府県を対象とし、996名の買手企業のM&A担当者が協力しました。ここでは、その詳細な結果をもとに、地域経済における企業の成長戦略について見ていきます。
調査の背景
日本では少子高齢化や人口減少による地域経済の課題が深刻化しています。企業成長の手段の一つとしてM&Aが注目されていますが、実際には都市部と地方でその状況は大きく異なります。この問題を解決するためには、地域企業の買収を促進する仕組みが必要です。
調査結果の概要
1.
東京都における企業の買収意欲
調査によると、東京都では約60%の企業が具体的な買収候補を検討しています。一方、地方ではその割合が4割未満で、明確な温度差が見られます。これは地域によって経済環境や企業文化が異なるためと考えられます。
2.
買収予算に関する地域差
東京都や愛知県、福岡県では、年間10億円を超える買収予算を設定する企業が半数を超えていますが、北海道や宮城県ではその反対に、10億円未満の予算が半数以上を占めています。このことからも、地域ごとに成長戦略の規模感の違いが浮き彫りになっています。
3.
相談先の傾向の違い
買収に関する相談先にも地域差があります。東京都や大阪府では、M&A仲介会社やファイナンシャル・アドバイザーを通じて相談を行う傾向が強いことがわかりました。これに対し、地方ではより一層の支援体制の必要性が見えてきます。
4.
地域共通の課題
最後に、地域を問わずに共通して挙げられた課題は「相手が見つからない」と「買収ノウハウの不足」です。多くの企業が欲しい情報や相手を見つけることに苦労していることが明らかになりました。
結論
今回の調査は、企業の買収意欲が地域によって異なることを示しています。特に東京都のような大都市では多くの企業が具体的な買収を考えている一方で、地方の企業はその意欲が低いことが明らかになりました。今後、M&Aを活用して地域経済を活性化するためには、支援機関が買手企業のニーズを正確に把握し、適切な案件を提案することが求められます。
このような調査結果は、地域企業における課題を解決する手がかりとなります。企業の成長のためには、地域間での情報共有や経験の蓄積が重要です。今後も地域発展のためにM&Aの活用が進むことが期待されます。