就職活動中の心の闇、就活うつの実態を探るABABA総研の調査結果

就活うつの実態を探る

株式会社ABABAが実施した調査により、2025年3月卒業予定の大学4年生の約半数が「就活うつ」を自覚している実態が浮かび上がりました。この調査は、就職活動が心身に与える影響についての深刻な事実を明らかにしており、特に学生たちのメンタルヘルスに焦点を当てています。

調査の背景

近年、就職活動の長期化や競争の激化が問題視されています。新型コロナウイルスの影響や経済環境の不安定さから、学生たちは安定した企業を選ぶ傾向が強まり、その影響は心身に大きく及んでいます。就活生は、先の見えない選考や内定を得られない不安から、「就活うつ」と呼ばれるメンタルヘルスの問題を抱えるようになっています。

調査の概要

この調査は2024年10月29日から11月12日の期間に行われ、300名の学生から有効回答が得られました。調査によると、就活に関するさまざまな問題が浮き彫りになっています。

主な調査結果

- 就活うつを感じたことがある：46.3％の学生が就活うつを経験したと回答し、その中で特に気になるのが、「就活中に死にたいと思ったことがある」という項目で、なんと49.3％が「ある」と答えています。この数字は非常に衝撃的で、就活がどれだけ多くの学生に辛い思いをさせているのかを示しています。

- 対処法：多くの学生が、親や友人に相談していると回答しましたが、カウンセリングを受ける学生は少ないことが分かりました。自分の問題を外に出さず、内向的になってしまう特徴が見受けられます。

- 就活がつらい原因：最大の要因として、長期にわたる就活期間や選考の連続した不合格からのストレスが挙げられています。また、自分の成功と周りの友人たちとの比較も精神的負担となり、自信喪失に繋がっています。

- 自覚症状：就活うつの自覚症状は「何もやる気が起きない」が54％にのぼり、心身ともに疲労感が続いていることがわかります。

- 就活を中断しない理由：多くの学生は「中断しなかった」理由として、焦りと早く就職先を決めたい気持ちから来るものであり、これは就活うつに対する理解が薄い証拠とも言えるでしょう。

社会への影響

就活うつは個人の問題にとどまらず、社会全体に影響を及ぼします。学生たちが就活を通じて精神的な健康を損なうことは、社会全体の生産性にも関連し、今後の対応が求められます。

終わりに

ABABA総研が行ったこの調査は、就職活動を通じて学生たちの心の状態がどのように変化しているのかを明らかにしました。今後は、企業側も学生たちの心の健康を考慮し、就職活動のサポート体制を整える必要があります。自分自身の健康を守るために、必要なサポートを受けることが非常に重要です。就活うつを一つの社会問題として捉え、解決策を模索していくことが求められています。