鳥取砂丘で次世代を担う子どもたちが海洋ごみを学ぶ
2025年10月10日、一般社団法人 海と日本プロジェクト in とっとりが主催したワークショップ「海からのSOS!~鳥取の海とプラスチックごみ問題~」が鳥取砂丘で開催されました。参加したのは、鳥取市立福部未来学園の4年生21名です。このイベントは、子どもたちに海洋ごみ問題を深く理解してもらい、地域の環境保全の意識を高めることを目的としています。
鳥取砂丘と海洋のつながりの学び
鳥取砂丘は日本海に面し、海と陸の自然が交わる絶好の学びの場です。当日は、子どもたちが海洋ごみが生態系へ与える影響を実際に体感するプログラムが用意されました。このワークショップでは、海と陸とのつながりを実感しながら、どのようにして海洋ごみが発生し、どんな影響を与えているのかを学びました。
ドローンによる新たなごみ回収方法
特に注目を集めたのが、ドローンを使用した「漂着海洋ごみ回収」プログラムです。最大25キロの荷物を運べる大型ドローンを使って、子どもたちは海洋ごみ回収の新しい手段を学びました。強風のため、実際の飛行は難しかったものの、ドローンによる回収の映像を通じて、その効率性を理解しました。このテクノロジーは、人がアクセスしにくい厳しい環境でも活用されることから、環境保全において新たな可能性を秘めています。
実際のごみ拾い体験
さらに、参加者は砂丘に広がる漂着ごみを実際に拾う体験もしました。ペットボトル、発泡スチロール、漁具など、日常生活から派生したさまざまなごみを目の当たりにし、その数量に驚愕する子どもたちの姿が見られました。特に、同じ距離を人力で運ぶことの大変さと、ドローンの迅速さとの違いに感心し、彼らの意識が変わったことは明白でした。
生態系への影響を考える
教室での授業では、生物多様性アドバイザーの小宮氏が、プラスチックごみがマイクロプラスチック化するプロセスや、ウミガメがビニール袋を誤って食べる危険性などを詳しく説明しました。これにより、生徒たちは身近なごみがどのようにして生態系に影響を及ぼすのかを学び、自分の行動が未来に与える影響を真剣に考える機会を得ました。
子どもたちの感想
参加した生徒はそれぞれの体験を通じて、環境問題についての深い理解を得た様子でした。「プラスチックごみが最終的に私たちに回ってくることを知り、決してごみを捨ててはいけない」との意見や、「ウミガメの話を聞いて、きちんとゴミの分別をしたいと思いました」との感想が寄せられました。
未来への期待
小宮氏も、子どもたちが自らの責任として環境問題に向き合う姿に感動したと述べています。彼らは、最先端の技術を活用しながら環境保全に取り組む姿勢を持ち続けることが重要であると強調しました。このような教育を通じて、将来の環境リーダーが育っていくことが期待されます。
私たちが住む海と自然を守り、次世代に豊かな環境を引き継ぐためには、子どもたちのような理解と行動が何よりも必要です。これからも、彼らが積極的に環境問題に関わり、未来の担い手として成長していくことを見守っていきましょう。