飛騨市の文化財がバーチャル空間で楽しめる新展開
岐阜県飛騨市は、地域の文化財をバーチャル空間で楽しむ新たな取り組みを開始しました。このプロジェクトにより、訪問者は24時間いつでもインターネットを通じて文化財にアクセスできるようになります。
文化財の重要性とその課題
飛騨みやがわ考古民俗館は、考古資料や民俗資料を多数所蔵している重要な文化施設です。考古資料は約4万点、民俗資料は約1万6千点と、その収蔵数は圧倒的です。しかし、位置的な問題や管理人の不足により、館が年間30日しか開館できないという現実がありました。
オンラインでの文化財へのアクセス
この状況を打破するため、飛騨市は2019年度からさまざまな考古資料を3Dデータ化し、オンラインでの公開を進めました。その取り組みが功を奏し、入館者数が徐々に増加。2024年度からは無人開館システムが導入され、飛騨市にとって直近20年間で最多の来館者数を記録する結果を生み出しました。
バーチャル空間への展開
さらに踏み込んで、飛騨市は公立小松大学次世代考古学研究センターや産業技術総合研究所の協力を得て、バーチャル空間を公開。これにより、利用者は時間や場所を問わずに文化財と接することができるようになりました。
実際の情報をもっと身近に
バーチャル空間では、展示された資料のわずか2%しか見ることができない現実を踏まえ、普段はアクセスできない収蔵庫内の文化財も閲覧可能になります。また、実物では見ることができない視点からも資料を鑑賞でき、縄文土器の裏側など普段は見られない部分も体験できます。
公園もバーチャルで楽しめる
さらに、江馬氏館跡公園や杉崎廃寺跡公園も同時公開されており、国指定の文化遺産として飛騨市の重要な資源が体験できます。このように、飛騨市はその地の魅力を最大限に引き出し、より多くの人と文化財をつなげる試みを進めています。
文化財の魅力を全世界に発信
この新しい取り組みは、飛騨市としての文化財の魅力を全世界に広めるチャンスでもあります。地域の歴史や文化を知るきっかけとなり、多くの人々に訪れてもらう一助となることでしょう。また、バーチャル空間を通じて、より多くの人に関心を持ってもらうことが期待されます。
まとめ
飛騨市のバーチャル文化財プロジェクトは、文化財へのアクセスを変革し、地域の魅力を引き出す新たな試みです。24時間いつでもどこでも、飛騨市の文化財を楽しむことができるこのプロジェクトは、多くの人々に新しい文化体験をもたらすことでしょう。