フジテック株式会社がインドで698台のエレベータを受注
フジテック株式会社がこのたびインド・グルガオンの大規模住宅プロジェクト向けに、エレベータ698台を受注しました。これは、2023年8月に発表した同国の住宅開発最大手、シグネチャー・グローバル社向けに538台を受けた受注に続くもので、同一のデベロッパーからの連続受注という注目の事例です。
インド市場の成長背景
インドのエレベータ市場は急速な都市化と経済成長を背景に、新設の台数が世界で2位を誇ります。特に中間層の拡大に伴い、大規模な住宅開発が進み、高い成長が期待されています。このため、フジテックはこの市場を戦略的重要地域として位置づけ、積極的に事業展開しています。
具体的には、2026年度までに現地の生産能力を2倍にする設備投資計画を進めており、インド市場のニーズに応える製品供給体制を強化していることが挙げられます。
受注の要因
今回の受注は、フジテックが築き上げた高品質な製品と安全性を重視した保守サービス、そして過去の納入実績が評価された結果と言えるでしょう。また、シグネチャー・グローバル社との信頼関係がこのような大型受注へのカギを握っているとも言えます。フジテック・インドの副社長、塩出一洋氏は「当社の製品とサービスに対する信頼の証」と評し、この受注がインド市場への強いコミットメントも反映しているとコメントしています。
フジテックのインド事業の歴史
フジテックは2004年にフジテック・インドを設立し、この市場での活動を本格化させました。2011年には、インド初の生産拠点をチェンナイに設立し、一貫した生産体制を構築しました。以来、高品質な製品とサービスの提供を通じて、急速な都市化やインフラの発展に貢献してきました。
例えば、フジテックは2024年12月25日に累計1万台の出荷達成を見込んでおり、2023年にはインドでの新工場の全面稼働を始め、アーメダバードに販売拠点を開設するなど、マルチ・ブランド戦略の強化も図っています。
未来への展望
フジテックは、今回の大型受注をスタート地点とし、今後もインド市場における存在感を高めていく計画です。2028年6月には今回の受注に基づくエレベータの納入が完了する予定で、これを通じてインドの都市発展と快適な生活環境の構築に寄与することを目指しています。また、インド市場の成長を取り込むことで、フジテック自身も持続的な成長を続けていくことでしょう。
今後の市場の動向やフジテックのさらなる取り組みに注目です。