転倒から身を守る新技術「ころやわ®」
最近のCESで話題を呼んでいるのが、株式会社Magic Shieldsが開発した転倒時にだけ柔らかくなるマット「ころやわ®」です。このマットは、転んだ際にかかる大きな負荷を軽減してくれることで、高齢者の転倒による骨折や怪我を防ぐ新たな衝撃吸収技術を導入しています。
なぜ「ころやわ®」が必要なのか?
転倒は高齢者にとって深刻な問題であり、毎年日本国内で約100万人が転倒によって骨折をしています。世界で見てもその数は約2000万人にのぼり、そのリスクは年々増加しています。転倒骨折は介護や寝たきりの原因となることが多く、医療現場でも大きな課題とされています。日本では転倒骨折による医療費が年間で約2兆円に達しており、この領域での対策が急務とされています。
「ころやわ®」は、3Dプリンターを使い約700種類の試作品を通じて開発された、メカニカル・メタマテリアルを用いており、個々の動きや力に応じてマットの硬さを変化させることが特徴的です。これにより、普段は歩行を快適にし、転倒時には衝撃を緩和します。
実際に体験できる環境
「ころやわ®」は、2025年5月に東京ビックサイトで開催される「SusHi Tech Tokyo 2025」に出展されます。同時に、忍者スタイルの「くノ一(くのいち)ダンサーズ」によるパフォーマンスも予定されており、参加者は実際にマットの性能を体験することができます。これは日本文化を反映しながらも、グローバルな来場者に楽しんでもらうことを目的としています。
展示ブースでは、マットサンプルの配布も行う予定で、数量限定とはいえ多くの人々にその効果を体感してもらいたいとの願いがあります。
技術革新の背景にある思い
Magic Shieldsの代表、下村明司氏はかつてヤマハ発動機でモータースポーツ向けの開発に従事していました。バイクの安全性向上に取り組んできた経験が、「ころやわ®」の開発にも活かされています。ここには、危険な状況から人々を守りたいという強い思いがあります。
さらに、2024年にはセンサーを搭載したマットの発売が予定されており、転倒そのもののリスクも減少させることが期待されています。各種施設、特に高齢者が多く集まる場所において、この革新的な技術が広く受け入れられることが望まれています。
今後の展望
「ころやわ®」は高齢者施設や保育施設、病院などでの利用が見込まれており、高齢化が進む日本における必須のソリューションとなるでしょう。社会のニーズに応え、高齢者が安全に、そして安心して生活できる社会の実現に向けて、今後もその活動が注目されます。未来の安全な生活のために、是非「ころやわ®」の新たな一歩を体験してみてください。
詳細な情報については、Magic Shieldsの公式ウェブサイトやSNSを確認することができます。