小学生が発見した琵琶湖のマイクロプラスチック問題
滋賀県・琵琶湖にて、環境問題への認識を深めるためのワークショップ『プラごみ調査隊』が行われました。小学3年生から6年生までの児童とその保護者が参加し、湖岸での砂の採取を通じてマイクロプラスチックの調査を行ったのです。
このイベントは2024年の8月6日、20日、9月7日の三日間にわたり実施されました。まず、参加者は指定された量の砂を採取し、ザルを使って大きさ別に粒を分け、その後、一つ一つの粒を目視で選り分け、マイクロプラスチックの個数を数えるという手法です。とても手間のかかる作業ですが、子どもたちは楽しみながら真剣に取り組みました。
調査結果とその影響
結果として、3つの会場で合計378個ものマイクロプラスチックが発見されました。大津会場では42回の砂採取で240個、近江八幡会場で92個、彦根会場で51個という結果が出ています。これらの数字からもわかる通り、表面上はきれいに見える砂浜にも多数の微細プラスチックが存続していることが明らかとなりました。この調査結果から、琵琶湖全体には恐らく何万個もの微小なプラスチックが存在すると推定できます。
ごみ問題解決に向けた子どもたちの姿勢
10月12日にはイオンモール草津で、調査結果の発表会が行われ、参加した児童11名が調査結果やその所感を発表しました。子どもたちは、海洋ごみ問題について学び「ポイ捨てをしない」「マイバックやマイボトルを使う」といった具体的な行動提案を行いました。また、使い捨てプラスチックを減らすために「給食のパンの個別包装をやめる」「使用済みのプラスチック容器をリユースする」といった新たなアイデアも発表され、環境保護への意識が高まりました。
専門家からの評価と提言
報告会では、滋賀県琵琶湖環境部の青山学課長が「様々な原因を探求しながら、楽しみを持ちながら調査を続けてほしい」と子どもたちに呼びかけました。また、滋賀県琵琶湖環境科学センターの佐藤祐一研究員は、「マイクロプラスチックはポイ捨てに限らず、人工芝や肥料カプセルの断片も含まれているため、生活全般を見直す必要があると感じた」と述べました。
団体としての取り組み
本ワークショップは、一般社団法人海と日本プロジェクトin滋賀県の協力によって行われ、子どもたちが琵琶湖と海のつながりを考える場を提供しました。このプロジェクトでは、全国的な問題である海ごみに対する認識を深め、自らの行動に変化をもたらすことを目的としています。
プラスチックごみの問題は、将来にわたっても続く危機的なテーマですが、今回のワークショップを通じて、子どもたちが未来の社会を担う重要な役割を果たすきっかけになったといえるでしょう。海と琵琶湖をつなげる活動を通じて、地域の環境問題を見つめ直す意義を感じ取ってもらえることを期待しています。