JR西日本カスタマーリレーションズ(JWCR)とELYZAが進める、顧客対応業務における生成AIの導入が大きな成果をあげています。両社は2022年から、AIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトに取り組んでいます。その一環として、JWCRが運営する「JR西日本お客様センター」では電話やメールで寄せられるお客様の「ご意見・ご要望」に対して、生成AIを用いてすべての応対履歴を要約・テキスト化しています。この取り組みにより、平均的な後処理時間が約50%短縮されました。特に要約が難しいとされる「ご意見・ご要望」の分類における内容の複雑性が高いため、課題も多く存在しましたが、両社は不断の努力でこれを克服しました。
具体的には、2023年8月に導入した際、当初の月次平均後処理時間は約12分47秒でしたが、2025年12月には6分23秒にまで短縮されました。この効果は、業務の安定性も保たれており、同年11月から2026年1月までの3ヶ月間も平均で同じ数値を記録しています。一方で、初めは実証実験段階で21%の時間削減にとどまっていました。その後は、JWCRとELYZAが共に機能改善やオペレーションの見直しを行い、100名規模の組織での業務に生成AIを系統的に導入することに成功しました。
JWCRが行った主な施策としては、日々の啓蒙活動や運用ルールの改定、またオペレーターへの研修実施が挙げられます。具体的には、オペレーターがAIに適した形で情報を発話するためのトレーニングや、AIの要約内容のチェックをスーパーバイザーが行う役割分担が強化されました。さらに、後処理と要約作業に関するルールブックが整備されることで、業務の標準化が進みました。
ELYZAもAIモデルを随時更新することで、要約の精度を高めつつ、表記ルールの整備や要約結果の網羅性向上を目指しました。この両社の協力により、業務フローからAI技術まで幅広く改善が行われ、現在の成功に結びついています。
JWCRの代表、岩﨑隆利氏は「生成AIを活用することで、要約業務の効率化と品質の向上が実現できた」と語り、今後も更なる顧客体験の向上を目指す姿勢を示しました。ELYZAの松浦大貴氏も、実業務を通じた生成AIの活用が成功した背景には、JWCRとの密な連携があると評価し、今後もさらなる改善に貢献していく意向を強調しました。
このように、JR西日本とELYZAの取り組みは、生成AIの活用によって効率性と品質の両立を実現する成功事例といえるでしょう。