北斎の新たな魅力が明らかに
2024年11月16日(土)から2025年1月19日(日)まで、長野県小布施町にある北斎館で開催される企画展「怪力の魅力」は、葛飾北斎が描く迫力ある人物表現に焦点を当てた展示です。
江戸時代の魅力的な物語
北斎は生涯にわたって何度も名前を変えましたが、葛飾北斎として名を馳せたのは40代後半の頃です。この時期、彼は主に読本挿絵の分野で活躍し、古今東西の物語に登場する様々な怪力の人物について力強い描写を行いました。特に、江戸の読本の世界では、力持ちたちが驚愕の怪力を駆使して物語を彩り、北斎はその瞬間を捉えました。
迫力ある人物表現
70代後半になると、北斎は絵本の武者絵の絵手本を発表し、その中で「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と述べ、彼自身の画法を明示しました。この展覧会では、そのような画法を駆使して描かれた北斎の版本作品が中心となり、特に怪力を持つ人物の表現に注目します。
見どころ
1.
パワフルなストーリーとその表現
北斎が描く怪力の人物たちのエピソードは、常に豪快で、例えば人食い虎を退治したり、弓矢で大きな岩を砕く様子が描かれています。それらの物語と北斎の挿絵は共鳴し合い、江戸の読者を魅了してきました。
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『絵本漢楚軍談』初輯巻之三より「黒龍馬と化して里人を脳す」
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『椿説弓張月』後編巻之一より「為朝荒磯に船を陸へ遣る」
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『新編水滸画伝』巻之二十一より「武松景陽岡上に大虎を撃」
2.
迫力ある人物の描き方
北斎は武者絵の絵手本において、自らの表現手法を示し、怪力を持つ人物たちを生き生きと描写しています。例えば、
『和漢絵本魁』より「樊噲鉄門を破」や
『北斎漫画』九編より「近江国貝津ノ里傀儡女金子カ力量」など、各作品を通じてその魅力を堪能できます。
追加イベント
ギャラリートークも開催されます。学芸員の解説を聞きながら、展示の奥深くを楽しむことができます。開催日は11月23日、12月14日、1月11日の各土曜日、時間は14時からです。参加費は無料ですが、入館券が必要です。
キッズルーム「水戸久斎」
また、2024年8月には新たなプレイスペース「水戸久斎」が開設され、子供たちが安心して楽しめる空間が提供されます。冨嶽三十六景に描かれた場所をテーマに、「波」をイメージしたボールプールや立体的に北斎漫画が再現された遊び場などが用意されており、保護者と一緒に楽しめる魅力的な場所となっています。
風情溢れる北斎館
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北斎館は、長野県小布施町に位置し、長い歴史を持つ美術館です。入館料は大人1,000円、高校生500円、小中学生300円で、特別な休館日があるので訪れる際には事前に確認しておくことが重要です。
興味深い北斎の世界をこの機会にぜひ体験しに来てください。詳細は北斎館の公式サイトおよびSNSで確認できます。