OKIが革新するAIによるPCB検査技術
沖電気工業株式会社、通称OKIは、新たに開発したAI技術によりプリント配線板(PCB)への部品実装後の目視検査時間を約80%短縮することを発表しました。この技術は、特に大型高密度基板において高精度な判定を可能にし、製造業における顧客サービスの質の向上に寄与します。2026年7月1日より、顧客向けの生産ラインに導入を開始する予定です。
近年、半導体技術の進化に伴い、PCBへの部品実装はますます複雑化しています。特にAIサーバーに使用される大型部品や微細部品を実装する場合、はんだ不良の判定が従来よりも難しくなっています。OKIはこの課題に対処するために、AIによる自動光学検査(AOI)を活用した「目視判定AI技術」を開発しました。
新技術の核心は、AOI装置の検査プログラムにOKI独自のアルゴリズムを組み込んだ点です。このアルゴリズムは、大型高密度PCBの特性に基づいて構築されており、特に「はんだ濡れ」「位置ずれ」「欠品」「浮き」の4項目をAIで検査します。これにより、従来の手法よりも遥かに短い時間で高精度な判定を実現しました。
さらに、部品固有の特性を考慮に入れることで、例え製造番号やロット番号の違いがあった場合でも、機能に影響を及ぼさない限りは良品として判断する独自のプログラムが組み込まれています。このようにして、少量の良品データによる「良品のみ学習」を実現し、数万種類の部材と数千種類の機器を扱う変種変量生産に最適化されたAI技術が完成しました。
OKIは2025年から「まるごとEMS」という新しいサービスを提供することで、企業が製造をより効率的に行えるよう支援しています。このサービスの一環として、今回のAI技術導入が行われ、製造期間の短縮と検査精度の向上を図ります。今後もOKIはこの技術を他の検査用途にも展開し、AI技術を活用した新たなシステムの開発を推進していきます。
生産効率と品質を向上させるためのこの取り組みは、製造業界にとって大きな意味を持つでしょう。OKIは引き続き、業界のニーズに応えるべくAI実装を拡大し、新たな技術革新を追求し続ける姿勢を見せています。
用語解説
- - AOI(自動光学検査): 機械視覚による認識技術で、手動検査の課題を解消するために使用される。
- - 良品のみ学習: 良品データを基にAIに学習させる手法。
- - はんだ濡れ: はんだが電極面に広がり、良好な接合状態を保つこと。
OKIの新技術は、製造業界における前進を象徴するものであり、今後も注目が集まるでしょう。