最新データから見える日本の疲労状況：健康を取り戻すための対策が急務

近年、日本社会では疲労が大きな問題となっています。一般社団法人日本リカバリー協会が行った2025年の全国10万人調査「ココロの体力測定」の結果によると、元気な人の割合はわずか21.4%にまで低下し、疲れている人の数は7172万人に達しました。この調査は、健康状態を測る貴重なデータとなり、我々の生活に潜む疲労の影響を浮き彫りにしています。

調査から得られたデータによれば、元気な人が減少した一方で、疲れている人（高頻度）の割合が41.5%と過去最高を記録。特に女性が疲労を感じている割合は80.1%に達し、男性よりも3.2ポイント高いことが明らかになりました。シニア世代では元気な人が多い一方で、特に30代の疲労状況は深刻です。調査結果から、日本国内の疲労状況が世代間で顕著に異なることがわかります。

都道府県別では、元気な人が特に多いのは和歌山県で、続いて青森県と広島県がランクインしています。この傾向は、地域特有の生活習慣に起因しているのかもしれません。例えば、和歌山県は健康維持に関わる何らかの要因が他県よりも優れているのではないかと考えられます。このような地域の分析を通じて、全国的な疲労対策を模索することが重要です。

一方、睡眠状況に関するデータも注目に値します。2025年には、5時間未満の睡眠をとる人が20.9%となり、横ばい傾向が見られました。睡眠の質は疲労に大きく影響するため、十分な睡眠時間を確保することの重要性が浮き彫りになったといえます。調査によると、中途覚醒がある人は疲れている人（高頻度）の約5倍も多く、このことから睡眠の質が疲労度に与える影響は明らかです。

こうしたデータを受けて、日本リカバリー協会の会長、渡辺恭良氏は日本社会が直面している疲労問題の深刻さを強調しました。特に、若年層における疲労の増加は、未来の社会に対する大きな懸念材料です。休養の質を向上させる必要性が高まっていることを考慮し、生活習慣の見直しを図ることが喫緊の課題とされています。発表された調査結果は、新たな健康対策や疲労軽減策の基盤となるでしょう。

これからも日本リカバリー協会は、科学的アプローチを通じて、疲労の軽減に向けた取り組みを進めていく予定です。健康的で活力あふれる社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができることを考え、行動に移すことが求められています。