Cookie流出問題:日本でのリスクと対策を考える
最近、インターネット使用におけるCookieの流出が深刻な問題になっています。このたびNordVPNが行った調査によって、ダークウェブ上に流出したCookieの件数が940億件に上り、日本でも約2億5000万件が被害に遭っていることが判明しました。この現状は、私たちの個人情報がどれだけ脅かされているかを如実に示しています。
調査の背景と内容
NordVPNは、オランダに本社を置く個人向けのセキュリティサービス企業であり、今回の調査では自社の脅威管理プラットフォーム「NordStellar」を用いて、Cookieがどのように流出しているのかを分析しました。調査期間は2025年4月23日から30日までの8日間で、940億件のCookieデータが収集されました。
Cookieとは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなデータファイルで、主にログイン情報や閲覧履歴、ユーザー設定を記録するために使用されていますが、近年、これはサイバー犯罪者にとっての格好の標的となっています。流出したCookieが多くのウェブサイトのユーザー行動を追跡するために利用されるため、個人情報が悪用されるリスクは高まっています。
日本における流出状況
調査によれば、日本から流出したCookieの件数は約2億5000万件に達しました。これは国内外での流出リスクが急増していることを示しており、特に日常の利用頻度が高いサービスのCookieがターゲットになっています。流出の根本原因としては、サイバー攻撃や悪意あるプログラムによるものが考えられます。
例えば、Google関連のCookieだけで約45億件が流出しており、その後にはYouTubeが13億件、Microsoftのサービスがさらに10億件以上にのぼる結果となりました。こうした流出がさらに加速する背景には、ユーザーが便利さを求めるために多くのサービスにログインし続けていることがあります。
マルウェアの危険性
Cookieを狙うマルウェアの存在も無視できません。特にRedlineやVidarなどの情報窃取型マルウェアは、ブラウザに保存されたCookieやパスワードを自動的に収集し、不正に送信します。これにより、ユーザーが気づかないうちに重要な情報が盗まれる恐れがあるのです。感染経路はさまざまですが、フリーソフトのインストーラーや偽の広告、さらにはメールの添付ファイルなどが一般的です。
身を守るための対策
NordVPNの専門家アドリアヌス・ワーメンホーフェン氏は、Cookieの盗難を防ぐための具体的な対策をいくつか提案しています。以下は彼の推奨する方法です:
1.
Cookieの受け入れは慎重に:全てのCookieを許可する必要はないので、特に第三者のCookieは拒否しましょう。
2.
セキュリティツールを活用:信頼できるセキュリティソフトをインストールし、悪質なウェブサイトから身を守りましょう。
3.
定期的にCookieを削除:使用後はCookieを削除し、古い情報を整理する習慣を持ちましょう。
4.
VPNを利用:公共Wi-Fiや未暗号化ネットワークではVPNを利用して通信を暗号化し、リスクを軽減します。
まとめ
利便性を求めるあまり、私たちの個人情報が危険にさらされている現代。Cookieはその鍵を握る重要なデータであることを忘れず、自身のデジタル資産を守るための対策を日常的に行うことが必要です。NordVPNは今後も、ユーザーの安全を守るために最新の情報と技術を提供し続けます。現代のサイバー脅威に対抗するためには、一人ひとりが意識を持つことが重要です。