新しいイノベーションの波を起こすJSIPとは
2021年に概ね120社を対象に実施されたヒアリング調査によると、シンガポールでのオープンイノベーションと新規事業の担当者の90%が、活動を始めるまでに1年以上の準備期間を要しているとの結果が出ました。さらに、業務に従事する期間の20~30%を準備に割かなければならないという厳しい実態が浮き彫りになりました。特にコロナ禍の影響が色濃く残る中で、この準備期間がさらに長引く可能性もあるのです。
そんな中、JSIP(Japan Southeast Asia Innovation Platform)が新たに設立されました。このプラットフォームの目的は、日本企業が東南アジアでより迅速かつ効率的にイノベーションを促進できる環境を整えることです。JSIPは「経験者のネットワーク」「厳選された情報」「イノベーション実践の機会」の3つの機能を搭載し、企業の新規事業創造を全面的にサポートします。
JSIPの主要機能
1.
経験者ネットワーク(コンソーシアム企業専用)
人気のある新規事業やイノベーションムーブメントでは、どれだけ早く信頼性の高い情報やパートナーにアクセスできるかが重要です。しかし、それを独自に探し出すには多くの時間と労力がかかります。JSIPは、経験豊かな専門家30名以上のネットワークを築くことで、必要な時に必要なサポートを得られる体制を整えています。
保存される専門知識の例としては、投資、M&A、会計、法務、デジタル戦略、デザインなど多岐にわたります。
2.
厳選情報(無料で全て利用可能)
新規事業には情報収集や分析、資料作成が不可欠です。JSIPのプラットフォームでは、実用的な情報や資料、関連イベントを専門家が厳選してピックアップし、日本語解説付きで紹介します。これにより、使用する際のしがらみを大幅に軽減できるでしょう。掲載される情報の一例としては、東南アジアイノベーションエコシステムや最新のフィンテックリソース、様々なイベント情報が含まれます。
3.
イノベーション実践機会(コンソーシアム企業専用)
新たな「仮説」を具体化するには「試行の機会」が充実した環境が必要です。JSIPでは、事業化に向けた様々なサポートプログラムを提供し、その活用方法とノウハウを共有することに焦点を当てています。
メンバー企業とその活動
現在、JSIPには多数の企業が参加表明や協賛を行っており、具体的な企業名としてはSansan Global Pte. Ltd.、デロイトトーマツベンチャーサポート、KDDI Open Innovation Fundなどがあります。これらの企業は、プラットフォームが提供するリソースやネットワークを利用して、新たなビジネス機会を模索しています。
参加企業からの声
DBJ Singaporeの中村雅也氏は、「日本企業が東南アジアでのイノベーション活動を加速するために、JSIPの設立を心から歓迎しています。日本からの遠隔地でも現地情報にアクセスできる質の向上は、非常に重要です。」とコメントしています。
また、JETROシンガポール事務所の久富英司氏は、「JSIPのミッションに共感し、日本企業が東南アジアで能力をより発揮できるよう連携していく。」と述べています。
このように、JSIPは新規事業創造を志す日本企業にとって、強力なサポート役となることを目指しています。今後の展開に目が離せません。
お問い合わせ先
Dres Pte. Ltd.
担当: 井上 慎介
メール:
[email protected]
JSIPは業界を越えたイニシアティブを展開し、事業状況を見ながら将来的には法人化も検討する予定です。