コールセンターのカスタマーハラスメント対策ガイドライン公開
一般社団法人日本コンタクトセンター協会は、2025年3月12日に「コンタクトセンター/コールセンターにおけるカスタマーハラスメント対策ガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、協会が行ったアンケート調査の結果を基に、コールセンターでのカスタマーハラスメントの現状を明らかにし、具体的な対応策を提案しています。
カスハラの深刻な影響
近年、顧客からの悪質な要求やクレームが増加し、それに伴うカスタマーハラスメントが深刻な問題となっています。2022年に厚生労働省が対策マニュアルを作成して以降、社会全体でこの問題への関心が高まっています。企業や地方自治体も対策に乗り出しており、法改正や新たな条例の制定が進められています。
本ガイドラインは、コールセンターに特化したカスハラ対策の指針を明記し、従業員が安全に快適に業務を行うための環境づくりを目指しています。具体的には、カスタマーハラスメントの判定基準や、それに基づく対応手順、マニュアル作成の方法などが示されており、事業者にとって大変有用な内容となっています。
ガイドラインの内容
基本方針の策定
ガイドラインでは、コールセンターの役割を明確にし、過剰なカスハラ判定を防ぐことを目的としています。同時に、従業員を守るためにカスハラには厳格な態度で臨むことが強調されています。これには、具体的な行為例を含む12の類型化も行われています。
カスハラ対応の具体例
例えば、長時間の拘束を1時間以上とし、リピートは3回以上、また暴言や怒声に関する具体的な言動が挙げられています。これにより、クレームの種類や内容に応じた適切な対応が求められています。
予防策と対応法
カスタマーハラスメントを未然に防ぐための方法として、録音通知や着信拒否、オペレーションルール(電話設定、ビジネスネームなど)、技術的な対策(アラート機能など)に分類し、具体的な手順が示されています。
さらに、組織や事業者が遵守すべき10のステップも提案されており、これにより一層きめ細かい対応が可能となっています。
組織としての取り組み
日本コンタクトセンター協会は、2024年に「日本コールセンター協会」から名称を変更し、多様な人材が健康的に活躍できる環境を目指しています。人権尊重や労働者の保護、正当なクレームとカスタマーハラスメントの区別を図ることで、従業員の健康と安全を守る体制を整えています。
調査結果を元にしたこのガイドラインは、今後のコールセンター運営における重要なツールとなるでしょう。カスタマーハラスメントに対する取り組みがさらに強化されることが期待されています。
参考URL
詳しいガイドラインについては、以下のリンクから確認できます。
カスハラ対策ガイドライン
一般社団法人日本コンタクトセンター協会は、コンタクトセンターに関わる業界の発展と従業員の福祉を図るため、今後もさまざまな活動を行っていく方針です。