スマイルボール受賞
2025-03-07 15:25:31

涙のでないタマネギ『スマイルボール』の革新と受賞の背景とは

受賞の快挙!涙の出ないタマネギ『スマイルボール』とは



2025年3月4日、公益社団法人日本農芸化学会主催の札幌大会で、ハウス食品グループ本社株式会社の新しいタマネギ「スマイルボール」が農芸化学技術賞を受賞しました。この画期的なタマネギは、涙を流さず、辛みも少ないという特性を持っており、実用的な食品技術として高く評価されています。

30年以上の研究の成果



ハウス食品は1990年代から約30年以上にわたり、タマネギの研究に取り組んできました。その中で、レトルトカレーを製造する際にタマネギが緑色に変色する現象の解明を試み、研究がスタートしました。この過程で、催涙成分の合成に関与する新しい酵素(LFS)を発見し、涙の出るメカニズムを明らかにしました。

研究の中で、タマネギの辛み成分を生成する酵素の働きを抑えることで、辛みや涙のでないタマネギを作り出すことに成功しました。この成果が、『スマイルボール』の誕生につながったのです。

スマイルボールの特長



「スマイルボール」は、切ったときに涙が出ないだけでなく、辛みもほとんど感じません。このため、冷蔵なしで生食が可能で、無駄に水にさらさずに済むことで、栄養分を逃すこともありません。また、厚切りにしてそのまま食べたり、ジュースにして飲んだりする新たな食べ方が楽しめるのも特徴です。

受賞の理由



今回の受賞は、単なる新しい野菜の開発に留まらず、多様な研究成果を社会に還元する姿勢が評価された結果です。これまでの研究から得られた知見を活かしつつ、お客様の食事の楽しさを広げるための努力が認められたことは、ハウス食品にとって大きな喜びと言えるでしょう。

タマネギ研究の道のり



1990年代~2021年


研究は1990年代から始まり、当初はレトルトカレーの製造過程での問題解決を目指していました。2002年には「Nature」に発表された論文で催涙成分の生成メカニズムを解明し、その結果として新たな品種の製造が可能になりました。2013年にはその業績によりイグ・ノーベル化学賞も受賞しています。

2022年以降の展開


さらなる研究として、保存性の高い催涙キットを開発し、健康との関連性を調査する研究も進めています。このように、スマイルボールを通じて多角的な学術的貢献も行われています。

料理への応用



スマイルボールを利用した料理として、フレッシュチップスが簡単に作れます。タマネギをカットし、ハーブソルトとオリーブオイルで和えるだけで、ヘルシーなおやつが完成します。このように、スマイルボールは実際の食卓に新しい価値を提供しています。

ハウス食品は、これからも食卓に喜びをもたらす野菜の研究開発に努めていきます。新たな食体験を提供することで、消費者に楽しんでもらえる食材を生み出し続けることを目指しているのです。


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会社情報

会社名
ハウス食品グループ本社株式会社
住所
東京都千代田区紀尾井町6番3号ハウス食品グループ本社ビル
電話番号
03-3264-1231

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