株式会社ペアキャピタルが創設した「成長再建室」の役割と意義とは?
株式会社ペアキャピタルが2025年1月に「成長再建室」を設立しました。この新しい部署は、特に経営が困難な企業を対象に、再生型M&Aを通じた事業の立て直しを支援することを目指しています。顧問には事業再生のプロフェッショナルである笹雄一郎氏が就任しており、彼の豊富な経験とネットワークを活かして、質の高いサポートを提供することが期待されています。
事業再生ニーズの高まり
2024年において、企業倒産は16,000件に達し、11年ぶりに1万件を超える事態となりました。特にコロナ禍の影響を受けた企業が多く、無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済がピークを迎えたことから、返済が困難な企業が続出しました。このような背景の中で、再生型M&Aへの需要が急増しています。この手法は、経営に行き詰まった企業が適切なスポンサーとつながり、事業を継続しつつ立て直しを図る方法となっています。
成長再建室の具体的な支援内容
成長再建室では、過剰債務を抱える企業に対して、私的整理を中心とした媒介を行い、様々な関与者(金融機関、法律専門家、会計士など)との連携のもと、適切なアドバイスとサポートが提供されます。譲受企業の探索から、M&Aプロセス全体を一貫してサポートするこの取り組みは、企業の経営再建に不可欠な要素です。
一方で、再生型M&Aは通常のM&Aに比べて知識や専門家の助けが必要であり、スポンサーとなる企業の見つけ出しが困難な場合があります。複数のステークホルダーが関与するため、オペレーションが複雑化し、時間と労力がかかることも覚悟しなければなりません。
企業再生のプロとしての笹雄一郎氏
成長再建室の顧問に就任した笹氏は、1984年に武蔵工業大学を卒業後、中堅ゼネコン勤務を経て、自身の家業にも従事。経営コンサルタントとしての豊富な経験を活かし、2000年以降は企業の経営改善に取り組んできました。特に1000社以上の企業の再生支援に携わるなど、その実績は高く評価されています。
社会貢献への取り組み
成長再建室の役割は、単なる企業の支援にとどまりません。雇用維持や地域経済の活性化にも寄与することを目指しています。個別の企業が支援を受けることで、地域全体が利益を得られる構図を描いているのです。また、当室は公正かつ透明性のあるプロセスで支援を行い、新たなビジネスモデルの創出を図ります。
株式会社ペアキャピタルの今後の展開
ペアキャピタルは今後、成長再建室を中心に、中小企業の経営支援に力を入れていく方針です。経営再生や債務整理を前提とするM&Aを専門とし、挑戦する企業の応援を通じて、日本の経済活性化に貢献することを目指しています。
このように、株式会社ペアキャピタルの「成長再建室」は、経営に困難を抱える企業に向けた新たな取り組みとして、その目的や活動内容に注目が集まっています。