奥道北プロジェクトとは
北海道北部、秘境とも称されるエリアで立ち上がった「奥道北プロジェクト」は、中川町と音威子府村に焦点をあてた地域振興の取り組みです。天塩川が流れるこの地域は、美しい自然環境だけでなく、上質な家具の材料として知られる森林資源も豊富です。
中川町と音威子府村は、木工芸や家具製作を手掛ける職人が多く住む地域として名高く、近年はアウトドア愛好者の移住も進んでおり、地域の魅力は一層高まっています。しかし、それぞれの町の魅力が個別に発信されているため、北海道北部全体としての価値が伝えきれていないという課題も存在しました。
このプロジェクトは、地域の自然や文化を再発見し、今後の展望を模索する目的で発足されました。地元住民や事業者が持つ独自の魅力を結びつけ、新たな地域価値を創造していきます。これにより、暮らしや経済、観光など、多様な分野での発展が図られています。
現在の取り組み
中川町には20人以上の地域おこし協力隊が活動しており、具体的なプロジェクトが進行中です。また、東京都内のクリエイティブ企業スマイルズとの連携により、地域資源の再評価も進んでいます。音威子府村では「面白法人カヤック」の起業家たちが地域活性化を図っており、学校創設のプロジェクトも含まれています。
奥道北の自然を楽しむ自転車道を開設し、新たなライフスタイルの提案をしています。地域の食や文化を織り交ぜた交流イベントも計画中で、訪れる人々にとって新たな出会いの場が生まれつつあります。
北海道遺産でもある天塩川で行われるカヌーイベント「ダウン・ザ・テッシ‐オ‐ペッ」は、参加者が自然と触れ合い、地域文化を体験できる貴重な機会です。四季の変化を感じながらのカヌー体験は、奥道北の魅力を直接体験する方法として注目されています。
中川町にあるイトオテルミーの事業者やヨガ講師と協力し、自然と一体化したリトリートツアーが企画されています。心を癒す体験を提供する新しい滞在スタイルの創出が期待されています。
奥道北の森林を生かした特産品開発は進行中。中川町の林業試験場から得た知見を基に、山菜や和ハッカ等を使用した商品が登場しています。乳製品や蜂蜜を活用した新たな商品展開も研究されています。
空き家を活用したDIYタウン構想が進められています。地元の協力隊が地域活性に取り組む中で、新しい暮らしの形が広がることが期待されています。
未来への挑戦
「奥道北」は始まったばかりで、関わりの可能性は無限大です。地域の自然や文化を基盤にした新たな体験や、木工を通じたものづくりなど、さまざまな形で地域に関わることができます。訪れる人々全てが、この地で新たな価値観を見つけるフィールドが広がっています。
中川町の町長、石垣寿聡氏は「奥道北が代表する存在として地域の魅力を広め、多くの人々に関わってもらえることを期待しています」と語ります。一方、音威子府村の村長、遠藤貴幸氏は「自然の恵みを生かした体験を提供し、ここでなければ得られない楽しさを届けたい」と述べています。奥道北は観光地ではなく、訪れる人々とともに未来を創造する場として位置付けられています。是非この活動に関心を持ち、参加してみてください。
このように、奥道北はさらなる可能性を秘めた地域であり、今後の展開に注目が集まっています。