がんリスク検査を巡る公開質問状とMS&ADグループの責任
少数株ドットコム株式会社が、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の取締役会に対し「がんリスク検査サポート」に関する公開質問状を提出しました。この問題は、医療に関連するサービスの適切な提供がどれほど重要であるかを示す例として注目されています。
問題の背景
少数株ドットコムは、MS&ADグループの一員であるあいおいニッセイ同和損害保険が2023年以降提供する「がんリスク検査サポート」に懸念を抱いています。このサービスは、医師法第17条に違反する可能性や、消費者を誤解させる表現が問題視されています。特に国会での審議や厚生労働省の見解が、そのリスクについて明確に指摘されており、今後の消費者保護の観点からも極めて重要な課題となっています。
厚生労働省が2025年に改定した「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」では、民間事業者による診断行為の禁止や、医学的根拠の提示義務が設定されています。これに対して、少数株ドットコムはグループ企業が法令やガイドラインに適切に従っているかどうかを問いかけています。
提出された質問の詳細
少数株ドットコムは、MS&ADグループに対し、以下の具体的な質問を提出しました:
- - 質問1: 罹患可能性を示す表現(「A評価」「リスク高」など)は現在も使用されているか。
- - 質問2: 法的な検証はどのように実施されているのか。
- - 質問3: 医学的根拠の提示および誤認防止表示をどのように遵守しているか。
- - 質問4: プリベントメディカル社との提携契約に際して行ったデューデリジェンスの内容。
- - 質問5: 医師法違反や消費者保護法令に抵触した場合の経営責任と対応体制。
これらの質問は、全てMS&ADグループの企業統治や倫理観を問うものであり、特に「がんリスク評価」に関する表現は医学的判断を含むため、慎重なアプローチが求められます。
株主としての責任
少数株ドットコムは、MS&ADグループの株主として、法律やガイドラインに沿った提供が行われることが企業の信頼性を支える基盤であると考えています。がんや健康に関するサービスは特に重要であり、法令に反した場合には企業統治の根幹が問われることになります。
今後も少数株ドットコムは、ウィンウィンの関係が築かれるよう、MS&ADグループと対話を続ける方針です。
会社概要
少数株ドットコムは東京都練馬区に本社を構え、会社支配権に関連するコンサルティングやアドバイザリー業務を提供しています。金融庁が示す「責任ある機関投資家のための原則」に基づき、投資先企業のモニタリングと対話を重視しています。
少数株ドットコム株式会社の今後の動きが、業界全体にどのように影響を及ぼすのか注視されます。