平城宮跡歴史公園では、2023年9月28日から11月24日までの期間、特別企画展「平城京の町なかのお役所-大学寮と鋳銭司-」が開催されています。この企画展では、奈良時代の役所が平城宮だけでなく、町中にも存在していたことを紹介しています。具体的には、役人の養成機関である大学寮と貨幣の鋳造を行った鋳銭司に焦点を当て、当時の生活や教育の様子を伺うことができます。展示予定の約55点の遺物には、和同開珎や神功開宝、萬年通宝などの貨幣や、鋳銭司や大学寮から出土した壺などが含まれています。
さらに、大学寮の復元模型も展示されており、来館者は当時の役所の様子をより具体的に理解できる機会となっています。また、9月28日の展示オープンに合わせて、関連講演会も行われます。
講演会では、まず10月6日に行われる「平城宮第231次発掘調査の成果について」が挙げられます。龍谷大学の杉山洋教授が講師を務め、発掘調査の最新の成果を紹介します。もう一つの講演は、奈良大学の渡辺晃弘教授による「平城宮の外に置かれた役所-大学寮と宮南面の様子を中心に-」です。この講演では、平城宮地域における役所の位置づけやその当時の社会的背景について学ぶことができるとしています。
なお、展示室は平城宮いざない館内に位置し、観覧は無料です。会場は毎日9:00から17:00までオープンしていますが、11月11日(月)は休館日なので注意が必要です。入館は閉館時刻の30分前、すなわち16:30までとなります。観覧に際しては事前の申し込みは必要ありませんが、関連講演会は定員が50名の事前申し込み制となっています。興味のある方はお早めに申し込みを行い、貴重な機会を逃さないようにしましょう。
平城京の役所についての理解を深める絶好のチャンスとなっているこの企画展。奈良時代の歴史に興味を持つ方はもちろん、地域文化に触れたい方にとっても訪れる価値のあるイベントです。ぜひ、平城宮跡歴史公園に足を運んで、過去の息吹を感じてみてください。