「深川えんみち」とは
「深川えんみち」は、東京都江東区門前仲町に位置する新しい福祉施設です。2024年5月にオープンしたこの施設は、0歳から100歳までの多世代が集まる「交差点」を目指しています。1階には高齢者向けのデイサービスがあり、2階には子育て支援のためのひろばや学童保育クラブが設置されています。さらに、私設図書館も併設されており、一般の方も自由に本を読むことができます。施設全体がゆるやかに連携しており、利用者同士の自然な交流が生まれるよう計画されています。
「ごちゃまぜ」な空間の実現
深川の街に「道」を引き入れることで、施設内に新たな「えんみち」を創出しました。この道には、私設図書館やキッチン、デイサービスのテーブルが配置されており、生活の一部として機能しています。また、学童保育に通う子どもたちは毎日デイサービスの場を通り抜けながら挨拶を交わすなど、日常の中での接点を増やしています。
タイムシェアの導入
運営する二つの団体は、空きスペースを有効に活用し、時間ごとに機能を切り替える「タイムシェア」方式を導入しています。この取り組みによって、利用者同士の顔馴染みが増し、思いやりのあるコミュニケーションが生まれやすくなっています。
地域との接点
「深川えんみち」は、オープンな外観が特徴で、地域の人々に利用してもらいやすい作りになっています。特に、23区初となる一箱本棚オーナー制度を取り入れた私設図書館「エンミチ文庫」では、地域の方が本を置いたり、運営に参加したりすることで、福祉施設への距離感を縮めています。
施設の再生と地域貢献
もともと1976年に幼稚園として利用されていた建物は、1994年からは斎場として使われてきましたが、今回は全面的にリノベーションが行われ、明るくて開放的なスペースへと生まれ変わりました。この改修により、地域の人々が再び足を運びやすい場所として利用され、多世代が共に生活する明るい場を創出しています。
地域の声
利用者からは、「この町で初めて友達ができた」「通るのが楽しみになった」といったポジティブな声が寄せられており、施設の存在が町の活性化に貢献していることが伺えます。
審査員の評価
グッドデザイン賞の審査員からは、施設が地域社会に対する挑戦的な解決策として評価されています。「閉じられていた壁面が開かれ、新たな顔が生まれている」とのコメントが寄せられ、施設が持つ「街との接点」や「人々の交流」を生み出すデザイン性が高く評価されました。
まとめ
「深川えんみち」は、地域社会が抱える問題に対する新しいアプローチを持つ福祉施設として、今後の福祉のあり方に影響を与えると期待されています。見学ツアーや交流会も開催されており、多くの方々にその取り組みを知ってもらう機会を提供しています。興味のある方は、公式ウェブサイトから詳細を確認し、ぜひ参加してみてください。
深川えんみちホームページ
エンミチ文庫ホームページ