コロナ禍での大学生の授業不満と大学教育改善に向けて

新型コロナウイルスの影響で、多くの大学がオンライン授業に移行しました。これにより、大学生たちはどのような影響を受けたのでしょうか。最近行われた調査によると、現在の大学の授業に満足していると回答した学生は、実に60%以上に達している一方で、3割以上の学生が授業内容に対し不満を感じていることが明らかになりました。この不満の要因として、新型コロナウイルスの影響で、学生同士のコミュニケーションが減り、授業も一方通行になりやすいオンライン形式への切り替えが挙げられています。

大学に進学した理由を尋ねたところ、41.2%の学生が専門的な勉強をしたいと回答しました。さらに、就職先の幅を広げたいという意見も多くを占めており、学生たちは将来に向けた期待を持っています。しかし、オンライン授業に対する満足度を問うと、58.4%が自分のペースで学べるというポジティブな意見を持つ一方、45.5%が授業の質が低下していると感じており、対面授業と比べた理解度の低下を不安視する声も多く聞かれました。

特に、新入生など初めて大学生活をスタートした学生の中には、友人との関係構築が難しく、孤独感を抱えるケースも見受けられます。入学時からのオンライン授業により、多くが友人を作る機会を失い、コミュニケーションの減少からメンタルヘルスに影響が出るといった声が多数寄せられました。また、授業内容に対する期待と実際の体験とのギャップが生じ、満足を得ることができていないと感じる学生も少なくありません。

調査結果から、大学生が今後の進路に不安を感じる理由も明らかになりました。多くの学生が一般企業への就職を希望していますが、現在の授業内容に対し理想との乖離から物足りなさを感じています。特に、進路選択を見越した授業を求める傾向が見え、実践的なスキルを身につける機会の少なさに不満が募っています。

大学教育の質を向上させるため、学生はより良い学びの環境を求めています。具体的には、学生一人ひとりの成長を見える化する仕組みや進路を見据えた教育体系の構築が急務となっています。これに応えるため、大学側は従来の教育方法に固執せず、柔軟な取り組みを求められているのです。

調査においては、教育成果を把握することができるシステム『学修成果MOE』が紹介されており、これを活用することで学生の成長を促進し、教育の質を高める手助けとなり得るでしょう。学生と大学、双方の意見を反映させる取り組みが求められる中、今後の大学教育の在り方に注目が集まります。