トプコンと大和ハウス工業、BIM技術で建設現場の生産性を革新
2025年10月23日、株式会社トプコンと大和ハウス工業株式会社は、トプコンの主要生産拠点であるトプコン山形の工場の建設工事において、BIM(Building Information Modeling)とデジタル施工技術を駆使して、さらなる省力化と生産性の向上を実現しました。この取り組みは、現場作業の効率を劇的に改善するだけでなく、建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるものです。
BIMとデジタル施工技術の導入背景
両社の協力は2019年12月に始まりました。当初、トプコンオプトネクサスの工場建設の際、敷地測量や基礎工事などの各工程にBIMを導入し、トプコンのデジタル測量機器とICT自動化施工技術を活用しました。これにより、生産性は大幅に向上し、BIMが建設工事現場でも有効に機能することが証明されたのです。
2020年11月には、デジタルコンストラクションの実現に向けて基本合意書を締結。その後、トプコンがリリースしたスマートフォンアプリ『楽直』を用いて、施工現場での測量作業の省力化が進み、大和ハウス工業の全施工現場においてもトプコンの機器が活用されています。
新しい工場での成果
トプコン山形の工場が竣工したことで、両社の取り組みはさらに進化しました。特に注目されたのは、設計段階でのBIMの活用が施工フェーズに拡張された点です。現場の工事担当者からは、「施工現場での計画ミスや是正工事が少なくなった」「作業の進捗が速やかに把握でき、次の施工段取りの判断が早くなった」といった実感が寄せられています。
たとえば、墨出し作業においては、BIMデータとレイアウトナビゲーターの組み合わせにより、生産性が20%向上しました。
将来のデジタルコンストラクション
今後、トプコンと大和ハウス工業は、維持管理フェーズへとDX化を広げ、建物のライフサイクル全体を支える新たな基準を確立することを目指しています。建設業界における人手不足の解消や作業の効率化を図るためにも、DXの導入は急務と言えるでしょう。
現場の感想と今後の展望
現場の工事担当者からは、「BIMモデルからデータを転送することで、タブレットで確認できるのが大変便利だ」との意見もあり、データ活用の可能性を強く感じています。また、今後もDXツールや施策が現場でさらに導入されていくことに期待が寄せられています。
最後に、トプコンと大和ハウス工業が手がけるこの革新的なプロジェクトは、建設業界の未来を切り開く重要な一歩になることでしょう。共に歩むことで、より良い建設現場の実現と、業界全体の進化が期待されます。