山形の名物「リップルパイ」が菓遊庵に登場
山形県上山市にある老舗和洋菓子専門店「杵屋本店」が製造する「リップルパイ」が、三越伊勢丹の「菓遊庵」に初めて登場します。この商品は、1968年の発売以来、55年以上にわたって多くの人々に親しまれてきました。特に今回の展開は、三越伊勢丹グループが手掛ける『旬歳時記「木の実・草の実・花の実」』の一環で行われます。
リップルパイの誕生と進化
「リップルパイ」は、山形県内で非常に人気のあるスイーツです。戦後、宮内本店から山形市旅籠町へ進出した際に新たに作られたこのお菓子には、和洋折衷というコンセプトが込められています。創業当時から続く伝統の「自家製餡」を用い、山の幸として親しまれている「くるみ」を合わせた独特の味わいが魅力です。
この商品の開発には3年をかけ、バターの豊潤な風味を生かし、サクサクとした食感のパイ生地で包み込むという特長があります。このようなこだわりが、山形県民の心を掴み、発売から55年以上の間に販売数は約2000万個に達しました。
美味しさの秘密
「リップルパイ」が愛される最大の理由は、その美味しさにあります。江戸時代に創業した杵屋本店では、豆を素材から仕入れ、丁寧に皮を剥いた「なま餡」を使用しています。手間のかかるこの工程は、実際に全国の菓子店の約1割しか行っておらず、そのため、特別感が増しています。また、くるみはカリフォルニア産の高品質なものを自家焙煎し、餡に練り込みます。さらに、バターはヨーロッパ産の発酵バターを使用し、他では味わえない商品となっています。
昭和レトロのパッケージとその進化
リップルパイの外装デザインは、発売当初からの昭和レトロなスタイルを維持していますが、実際には常に改善されています。パイ生地は10年前からヨーロッパ産発酵バターを使用しており、餡の甘味も現代の味覚に合わせて調整されています。2024年7月には、包装資材をアルミ蒸着フィルムにアップグレードし、焼きたての美味しさがかつてないほど長持ちするようになりました。
菓遊庵でのリップルパイ取扱い
リップルパイが「菓遊庵」で扱われることになった背景には、三越伊勢丹グループの担当者が試食を行い、その美味しさに感銘を受けたことがあります。「菓遊庵」は、全国の銘菓を厳選したセレクトショップであり、1950年から続く歴史があります。
今回の取扱期間は2024年9月25日から10月22日までで、販売価格は1個216円(税込)です。取扱店舗は新潟伊勢丹、日本橋三越本店、銀座三越など全国各地に渡ります。
老舗「杵屋本店」について
「杵屋本店」は、文化8年(1811年)に創業した和洋菓子専門店で、213年以上にわたって菓子作りを続けています。現在、山形県内に15店舗を展開しており、その品質にこだわり続けています。
この秋、ぜひ「リップルパイ」を手に取って、その豊かな味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。