高齢ドライバーの安全運転支援へ向けた新たな提携
損保ジャパン株式会社と株式会社MEDEMILが、ドライバーの安全運転を支えるための業務提携を開始しました。これは、特に高齢者を含むすべてのドライバーが安心して運転を続けられる環境を構築することを目的としており、両社の技術的な知見を活かすことで、ドライバーの運転能力を科学的に評価する仕組みの検証を進めていくことになります。
1. 提携の背後にある理由
日本は現在、超高齢社会に突入しており、高齢のドライバーによる交通事故が一大問題とされています。運転は高齢者にとって、社会参加や生活の質を維持するために重要な役割を果たしますが、安全性も確保しなければなりません。また、物流や公共交通における職業ドライバーの高齢化や人手不足も無視できない課題です。これらを受けて、ドライバーが安心して運転をし続けるための仕組みが急務とされています。
特にライドシェアの普及が進む中で、ドライバーの運転能力を客観的に評価し、その結果を利用して安全運転を管理する仕組みが求められています。このようなニーズに応え、科学的な根拠に基づいて各ドライバーを支援する「運転寿命の延伸」が急務なのです。
2. 提携の具体的内容
この提携では、損保ジャパンが長年の保険業務で蓄積した運転データや事故対応のリスク知見を提供し、MEDEMILが開発した「MEDEMIL Drive®」という技術に基づいた眼球運動データを組み合わせます。この連携により、ドライバーの運転能力をトータルで評価する新しいシステムを構築し、科学的根拠に基づいた安全運転支援を展開します。
損保ジャパンは、同社が持つ大量の顧客データとリスクアセスメントの技術を活かし、MEDEMILは運転に必要な視覚や認知能力をAIによって効率的に評価するツールを提供。これにより、ドライバーの運転能力を総合的に把握し、様々なドライバーに対してより良い支援を可能にするのです。
3. 今後の展望
今後、個人ドライバーや職業ドライバーに向けた共同研究や実証実験を進め、運転能力評価モデルの精度向上を図ります。また、他の事業者とも協力し、より多くの利用者に対して具体的なサービス展開を目指します。最終的には、運転能力の評価に加え、個別の特性に応じたトレーニングプログラムの提供や、SOMPOグループの介護サービスと連携し、さまざまなニーズに応える支援体制を整える計画です。
この提携を通じて、高齢ドライバーが安心して運転を続けられる環境づくりと同時に、社会のドライバー不足という問題への解決に寄与することを目指します。