地域の道路接続性が歩数ポイントプログラムの継続性に影響
現在、健康を増進させるための様々なプログラムが各地で実施されており、その中でも歩数に応じたポイント制度が注目されています。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、参加者がどれだけ継続してプログラムに参加するかが鍵となります。最近、明治大学商学部の阿部巧准教授が中心となった研究チームが、歩数ポイントプログラムへの参加状況と地域の道路接続性の関係性を明らかにしました。本記事ではその研究結果と意義について詳しくご紹介します。
研究背景
歩数ポイントプログラムは、多くの自治体で導入されており、参加者が歩数を増やすことによってポイントが貯まり、そのポイントを商品やサービスに交換できる形式のものです。これらのプログラムには多くの参加者がいるものの、参加を継続することが困難なケースも多いのが現実です。特に、歩きにくい地域に住む方々は運動不足になりやすく、プログラムからの離脱が生じやすいとの懸念があります。
そこで、研究チームは「よこはまウォーキングポイント事業」に参加した30,530名のデータを分析し、地域の道路の接続性、すなわち歩行やすさとの相関を検証しました。
研究結果
研究の結果、最長48ヶ月間の追跡調査において約6割の参加者がプログラムから離脱していたことが分かりました。興味深いことに、道路の接続性が高い地域に住む参加者は、接続性の低い地域に住む参加者に比べて、プログラムを継続する傾向が強く、離脱するケースが少ないことが示されています。また、プログラムに参加してから3年間の歩数の推移を調査した結果、初年度から2年目には平均約500歩/日減少してしまいましたが、2年目から3年目には微増に転じ、最終的には平均7,000歩/日を超えるという推計が得られました。
この結果は、地域の道路環境が歩数ポイントプログラムの継続に大きな要素であることを示唆しています。利用者が歩きやすい環境にいることで、自然と運動量が増え、プログラムへの参加が持続しやすくなるのです。
まとめ
本研究から得られる最も重要な教訓は、歩数ポイントプログラムが成功するためには、参加者がプログラムを持続するための環境を整える必要があるということです。特に地域環境としての歩行環境に注目し、より良い運動促進のための施策を講じることが求められます。特定の地域においては、このような支援が特に必要であることが明確になりました。
今回の研究成果は『International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity』に掲載されており、今後の健康政策や地域づくりにも影響を与えると期待されます。歩数を増やすことが地域全体の健康促進につながるよう、環境整備が進むことを願っています。